西野ジャパンがロシアW杯で躍進できた“3つの理由”

2018年07月06日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

苦手意識を打ち破った意味でも

日本はコロンビア戦の勝利で勢いに乗った。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 決勝トーナメント1回戦でベルギーに2-3と逆転負けを喫し、日本サッカー史上初のベスト8入りは逃した。しかし、3戦全敗もあり得ると言われた戦前の予想を覆すロシア・ワールドカップでの快進撃はポジティブにも映ったはずだ。
 
 グループリーグ突破の要因のひとつは、コロンビア戦での勝利だ。ワールドカップでの初戦白星という自信が勢いとなって、自然とチームがまとまった印象もあるからだ。
 それにしても、コロンビア戦はなんとも奇妙な試合だった。まさか前半3分に香川真司のシュートを阻止したカルロス・サンチェスがハンドで一発退場、しかもPKまで獲得できるなんて……。ツキが味方したとしか言い表せない。
 
 その直前に大迫勇也がGKとの1対1を決めていれば、コロンビアに退場者は出なかったのだ。それが結果的に大迫の決定機逸で香川にシュートチャンスが巡って来て、退場とPKというふたつの幸運が一気に転がり込んできたのである。
 
 そして、その幸運をしっかりと結果に結び付けた点は評価されるべきだ。一旦は1-1と追いつかれながらも、西野朗監督の「これは勝たなければいけないゲーム」という檄に応えて大迫の決勝ゴールで勝ち越した勝負強さは称賛に値した。
 
 10人のコロンビアと言えど、難敵である。そういう相手から勝点3を奪ったのだから、自信になるのは当然だ。
 
 前回大会まで南米勢との相性は最悪で、1分3敗と未勝利だった。その苦手意識を打ち破った意味でも、コロンビア戦の白星は相当な価値があった。
 
 ちなみに、ロシア・ワールドカップで初戦白星は、ロシア、ウルグアイ、イラン、フランス、デンマーク、クロアチア、セルビア、メキシコ、スウェーデン、ベルギー、イングランド、日本、セネガルの13か国。そのうち10チームが決勝トーナメントに進んでいるわけだから、やはり初戦での勝点3獲得は極めて重要なのである。
 

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