日本代表が目指すべきはセネガル戦の再現!香川、柴崎、長谷部の3枚で中盤を振り回せ

2018年07月02日 清水英斗

高速カウンターのベルギーに対し、下手なポゼッションは致命的にも思えるが…

柴崎を軸としたポゼッションでベルギーの守備を揺さぶりたい。(C)Getty Images

 日本が決勝トーナメント1回戦で戦う相手、ベルギーはどんなチームか? 
 
"金色のポーランド"と考えればわかりやすいかもしれない。ベルギーは高速カウンター、サイドアタック、ロングボールで打開するターゲットといった、ポーランドとの戦術的な共通点を備えているが、それを実践するのが、世界トップのタレントばかりだ。
 
 ロメル・ルカク、エデン・アザール、ケビン・デ・ブルイネ、ヤン・ヴェルトンゲン、ティボー・クルトワなど、イングランド代表以上に、プレミアリーグ・オールスター感がある。個のレベルが圧倒的だ。ポーランドが覚醒し、超サイヤ人になったら、それがベルギーである。
 
 日本は昨年11月にベルギーと対戦し、0-1と接戦を演じた。しかし、その記憶は忘れたほうがいい。当時のベルギーを超サイヤ人とするなら、本大会のベルギーは、超サイヤ人4だ。コンディションも、コンビネーションの熟成も、段違いである。
 
 日本の生命線になるのは、ポゼッションだろう。高速カウンターのベルギーに対し、下手なポゼッションは致命的にも思える。だが、ポーランド戦でカウンタースタイルの日本が機能しなかったことを踏まえれば、目指す選択肢はひとつしかない。セネガル戦の再現である。
 
 ベルギーの守備は、ルカク、アザール、メルテンスの第1ラインが突破されると、[5-4-1]で自陣に下がる。日本は両サイドバックの酒井宏樹と長友佑都が高い位置を取り、テンポ良くサイドチェンジしながら、アザールとメルテンスがサイドのカバーに走り回る状況を作りたい。
 
 ここで鍵を握るのは、香川真司、柴崎岳、長谷部誠の中盤3人だ。香川が下がったり、柴崎が上がったりと、ポジショニングを変えて相手センターハーフのデ・ブルイネとヴィツェルに守備の的を絞らせず、ボールをテンポ良く動かす。時には昌子源や吉田麻也も、前に出てサポートしながら。
 
 この中央で主導権を奪うことが、ベルギーの[5-4―1]を振り回す肝になる。セネガル戦でも、それが成功したために、日本が試合をコントロールできた。
 

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