西野ジャパンが"芝の長さ"を警戒!コロンビア戦は"10ミリ"以上長いとも…【ロシアW杯】

2018年06月17日 佐藤俊

日本の選手は一様に「長い芝でプレーする難しさ」を感じている

原口は「どの試合を観ても選手がやりづらそうでした」と苦笑いした。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

「どの試合を観ても選手がやりづらそうでした」
 
 原口元気が苦笑した。
 苦笑の素は、長く深い芝である。
 
 ワールドカップの場合、大会期間中はFIFAがベースキャンプ地を管理しており、ピッチは各試合会場と同じ状態(長さ)に整えられている。広大な国土を持つロシアは各開催地でピッチの状態が異なるが、ワールドカップを見ていると原口が言うようにどの会場も基本的には芝が長く、選手がやりづらそうにプレーしている。
 
 実際、メッシはドリブルにキレがなく、クリスティアーノ・ロナウドも不規則な回転をするドリブルをほぼ封印し、カウンターの矢に徹していた。選手たちが放つグラウンダーの縦パスをよく見ているとボールがブレ球のようになっている。長い芝はパス主体のチームを始め、それぞれのチームの戦いに大きな影響を与えているのだ。
 
 日本も長い芝の影響を受け、対応に苦慮している。
 
 GKの東口順昭は「びっくりするぐらい変化する。真っ直ぐにころがらず、波打つように変化するのでバックパスは特に気を付けないといけない」と、GKとして長い芝の難しさを実感している。
 
 原口も「裏狙いのパスも止まるし、パスでけっこうやり過ぎるとつかまるなというイメージがある」と、パスを回す際、ボールが不規則に動いたり、止まったりするのを狙われる可能性があるので、注意しなければならないと考えている。
 
 長友佑都、宇佐美貴史、大島僚太も同様の印象を抱いており、日本の選手は一様に「長い芝でプレーする難しさ」を感じている。
 
 それは日本の選手が長い芝に慣れていないからだ。
 
 日本代表が最終予選や親善試合で使用する埼玉スタジアムは20ミリで整えられており、試合の時にはチームの良さを出せるように水を巻いてボールスピードを高め、よくボールが転がるように管理されている。ガーナ戦が行なわれた日産スタジアムはさらに芝が短く、全体が15ミリに揃えられていた。
 
 現在、日本代表のキャンプ地であるロシア1部リーグのルビン・カザンの施設は24ミリに整えられている。コロンビア戦が行なわれるサランスクは、さらに芝が長いという話だ。
 

次ページ10ミリの長さの克服ができれば、勝機が見えてくるはずだ

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