西野監督が明示した"スタメン"と"サブ"の区分け…W杯初戦のメンバーはガーナ戦とほぼ同じだ

2018年05月31日 佐藤俊

ガンバ大阪時代のやり方に変化がなければ、4日前にはガーナ戦のスタメンをほぼ固めていたはずだ

西野監督は気配りを欠かさない。今回スタメン落ちした主力の岡崎慎司や香川真司には何かしらの説明があっただろう。(C)SOCCER DIGEST

 ガーナ戦の収穫―――。
 
 まずロシア・ワールドカップ初戦のコロンビア戦を戦うメンバーが見えたことだろう。
 
 西野朗監督は、合宿メンバーを決めた時から大枠でスタメンのメンバーを考えていたはずだ。実際、本大会まで時間がないので合宿では主力をある程度、固めて戦術を落とし込んでいった。トレーニングをしていく中で若干メンバーの変更はあっただろうが、実戦的な練習では思い描いていた選手を各ポジションに配置した。原口元気の右ウイングバックなど、随分前から考えていなければパっとあのポジションには置かない。
 
 ガンバ大阪時代は試合の3、4日前にはスタメンを決めていた。そのやり方に変化がなければ、おそらく実戦練習をした頃にはガーナ戦のスタメンをほぼ固めていたはずだ。
 
 スタメン落ちした主力選手には、西野監督からひと言あったと思われる。ガンバでも主力選手、たとえば宮本恒靖や山口智をスタメンから外した時、必ず事前に話をしていた。そういう気配りを欠かさない監督なので、今回スタメン落ちした主力の岡崎慎司や香川真司には何かしらの説明があっただろう。試合には0-2で敗れたが、このガーナ戦のスタメンが、基本的にコロンビア戦のファーストチョイスであることはほぼ間違いない。
 
 また、ガーナ戦でスタメンが明らかになったことで、選手にレギュラーとサブの区分けを明確に示したことになる。大会前にして、あなたはレギュラーです、君はサブですという残酷な判断がされたということだ。もっとも合宿でトレーニングをしている時から選手であれば自分がどういう立ち位置なのか、だいたいは察することができていたはずだ。それがガーナ戦で現実的に誰の目にも分かる形で披露されたわけだ。
 
 これからサブ組は覚悟を決めなければならない。
 
 レギュラー組の練習パートナーとして、ある時は仮想コロンビア、ある時は仮想セネガルになり、少しでも相手のことを掴んでもらうために相手の特徴を反映したプレーで練習相手となる。そうして献身的にレギュラー組をサポートしならなければならない。もちろん納得がいかない選手もいるだろう。だが、サブ組がまとまらなければチームが一枚岩になって戦うことはむずかしい。サブ組がまとまらずにチームが崩壊したドイツ大会の過ちを繰り返してはいけないのだ。
 

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