【ガーナ戦プレビュー】香川は最終テストをパスできるか。結果次第で3バック白紙も!?

2018年05月29日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

注目のひとつはリベロ長谷部のパフォーマンス

香川はガーナ戦で復活をアピールできるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 5月30日のガーナ戦、いよいよ西野監督の初陣である。誰が生き残るかという意味ではメンバー発表前日の大一番だが、同時に結果も求められる一戦だろう。「いつもの親善試合以上に勝ちへのこだわりは大事になってくる」という吉田はこう続ける。
 
「良い雰囲気でオーストリアの合宿に入っていけるようにするために、まずは勝たなきゃいけない。勝てば、チームはまとまりやすくなるし、同じ方向に進みやすくなる。負けると、苦しくなると思う」
 
 おそらく3-4-2-1で戦うだろうガーナ戦は、西野ジャパンの行く末を占ううえでも大きなポイントとなる試合だ。ここで負ければ「西野監督で本当に大丈夫なの?」と懐疑の目を向けられる可能性もあるだけに、下手なゲームはできない。
 
 3-4-2-1システムを採用した場合、試合の行方を左右しそうな鍵のひとつが、リベロを任されるはずの長谷部のパフォーマンス。格上揃いのワールドカップでグループリーグ突破を目指すなら、まずは守備が大事だ。リベロの両脇を固めるだろう吉田と槙野、その前に陣取るボランチコンビ(山口と大島もしくは柴崎がスタメンか)をどう操り、ゴール前に強固な壁を築けるかは見物だ。
 
 西野監督も長谷部が軸の守備陣には「人ではなくボールに対してのディフェンス」を求めているようで、対人というよりは組織的にどうボールを狩るかが見どころのひとつになりそうだ。
 
 もうひとつのポイントは、3-4-2-1システムの肝となる両ウイングバックの出来だろう。この両翼が仮に劣勢を強いられると、チームの重心はグッと下がり実質5バックとなる。これでは攻撃に比重を置けなくなり、厚みを出せない。そうならないよう、比較的高い位置取りで、ゲームをコントロールする役割が求められる。
 
 そのウイングバックでスタメンを任されそうなのが、右が原口か酒井宏で、左が長友だ。いずれもクラブシーンでチームの主力として活躍した選手たちであり、ガーナ戦で彼らが機能しないようだと、3-4-2-1システムが白紙に戻る事態にもなりかねない。それほどこのポジションの重要性は高いだろう。

  そのウイングバックでのプレーについて、原口は次のように語っていた。
 
「なるべく強気に高い位置を取りたい。僕が出る時はそれを強く考えてやりたい。前の選手とのタイミングの良いポジションチェンジというのはハマれば、チャンスを作り出せる。もちろん守備はしっかりやりますけど、攻撃の部分で違いを出したいと思います」

 

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