【EL決勝 マルセイユ×アトレティコ|採点&寸評】 MOMは圧巻のパフォーマンスを披露したグリエーズマンに!

2018年05月17日 井川洋一

マルセイユ――経験と格の違いをまざまざと…。

【警告】マルセイユ=アマビ(38分)、グスタボ(75分)、エヌジエ(78分) アトレティコ=ヴルサリコ(23分)、リュカ(78分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】グリエーズマン(アトレティコ)

[ヨーロッパリーグ 決勝]マルセイユ 0-3 アトレティコ・マドリー/5月16日/パルク・オランピック・リヨネ

【マルセイユ 採点・寸評】
チーム 4.5

自国開催の決勝で熱狂的なサポーターの後押しを受け、序盤から主導権を握った。開始直後こそ冷静さを欠いたが、パイエを中心に相手陣内に押し込んでいくと、4分にはそのキャプテンが決定的なパスを通す。しかし受け手のジェルマンがGKとの1対1で大きく枠を外してしまった。その後も優位に試合を進めていたが、21分にザンボの痛恨のトラップミスから先制を許してしまう。さらにパイエが無念の負傷交代を強いられ、完全にペースダウン。前半はなんとかしのいだものの、49分にふたたびグリーズマンに決められ、終了間際にも駄目押し点を献上した。経験と格の違いをまざまざと見せつけられる結果に。

[GK]
30 ステーブ・マンダンダ 5

先制されたシーンのパスは受け手のミスで、2失点目もほぼノーチャンス。それでもベテランならば、周囲を落ち着かせ、的確なコーチングで守備陣の綻びを修正すべきだった。

[DF]
17 ブナ・サール 6

当地出身のウイング上がりのSBが奮起。鋭いオーバーラップでトバンをサポートし、みずからも敵陣深くまで進入した。高い技術と落ち着き、しつこい守備で右サイドだけは互角以上の戦いを演じていた。

18 ジョーダン・アマビ 5
出だしは地に足がつかず、前方のオカンポスと息が合わないシーンもあった。2失点目はグリエーズマンについていけず、3失点目は寄せきれず。82分に強烈なミドルを放つも、GKの正面に。

19 ルイス・グスタボ 5
序盤は鋭い読みとカバーリングで危険を未然に防いだ。だが次第にグリエーズマンの動きに惑わされるようになり、2失点目はパスの出し手につり出された。プレーがどんどん荒くなり、3失点目で味方を激しく責めるなど、苛立ちを隠せなかった。

23 アディル・ラミ 5
スピード不足や揺さぶりへの対応の拙さを露呈。コレアにはルーレットでかわされ、得意なはずのエアバトルでも存在感を示せなかった。同い年で同ポジションのゴディンとは雲泥の差。
 
[MF]
5 ルーカス・オカンポス 6(55分OUT)

見るからに気持ちが入っており、激しく仕掛け続けた。急激なターンやストップで相手を外し、味方も効果的に利用。孤立した際にも、身体をうまく使ってキープした。55分の交代に本人は納得していなかった様子で、終了後は涙を流した。

8 モルガン・サンソン 5.5
立ち上がりは幅広く動いて、攻守に貢献したが、徐々に空回りが目立つように。中盤では熟練の相手に封じられ、高い位置ではプレー精度が低かった。献身的に走り回ったが、効果は薄かった。

10 ディミトリ・パイエ 6(32分OUT)
絶対的な主将でありエースの負傷離脱はこの試合の大きなカギに。立ち上がりから、効果的なプレーを繰り出し、4分にはジェルマンに完璧なスルーパス。周囲との連携もスムーズで、得意のセットプレーでは際どいボールを送った。

26 フロリアン・トバン 5.5
序盤はB・サールとのコンビで右サイドを支配し、パイエやザンボともスムーズなコンビネーションを披露。だが時間の経過とともに存在感は薄れ、良い形でボールをもらう機会自体が少なかったこともあるが、受けても簡単に失った。

29 アンドレ=フランク・ザンボ 5.5
痛恨のトラップミスで先制点を献上するまでは、MOM級の出来。シンプルなパスワークでリズムを生み、非凡なアイデアとテクニックも見せた。動きは鋭く、ボールを奪う場面も多かった。それだけに、試合の趨勢を完全に変えてしまったミスが痛かった。
 

次ページマルセイユ――序盤からツキに見放される。

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