元W杯戦士が激論!西野ジャパンのロシア行き「23人」の選考ポイントは?

2018年05月11日 サッカーダイジェスト編集部

「本番でコンディションをグッと上げられる選手が必要」(秋田氏)

左・秋田豊/1970年8月6日生まれ、愛知県出身。日本代表通算44試合・4得点、W杯は98年フランス大会、02年日韓大会に出場。右・福西崇史/1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。日本代表通算64試合・7得点、W杯は02年日韓大会、06年ドイツ大会に出場。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップに参戦できるのは23人のみ。限られたメンバーしか立つことのできない檜舞台で、勝利を手にするためにはどんなタイプやキャラクターの選手が必要なのか。
 
 ともに2度のワールドカップ出場歴のある秋田豊氏と福西崇史氏は、自らの実体験を踏まえたうえで「試合勘」や「対話」といったキーワードを挙げ、様々な角度から選考ポイントを探ってくれた。
 
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――ワールドカップを約2か月後に控えたタイミングで、日本代表の指揮官が交代。西野朗新監督にとり、「23人」の選考はやはり難しいものになるのでしょうか?

福西 もちろん、難しいと思いますよ。良さそうだな、と思った選手をテストする時間がほぼない。前体制からの大幅なメンバー変更は、現実的にはできないはず。

秋田 確かに。それだけに、戦術的にいろんなことができるメンバーを選ぶべきじゃないかな。システムもどれがフィットするか分からない。複数のオプションに対応できるポリバレントな選手が欲しいね。

福西 戦い方にバリエーションをもたらすとしたら、日本人の監督は適任。細かい部分まで落とし込むには、やっぱり日本語のほうが通じやすい。例えば、3バックにしたとして、疑問があれば選手もすぐに聞ける。それはメリットですよね。

秋田 西野監督は、守備的にも攻撃的にもチームを作ることができる。いろんな"顔"を持つ日本代表になるんじゃないかな。 
 
――前体制をどれぐらい継承するかも注目点のひとつです。

秋田 ただ、(ヴァイッド・)ハリルホジッチ前監督は結構な数の選手を招集しているから。

福西 その中からのチョイスになりそうですね。おそらく、2チーム分を作れるくらいの選手を試しているはず。そこから誰を選んで、どう組み合わせるか。未招集の選手は、時間的なことを考えれば、リスクがある。呼んだとしても、ひとりかふたりだと思います。

――ワールドカップにエントリーできるのは23人。限られた枠組みの中でのメンバー選考で、重視すべきポイントを挙げるとすれば?

秋田 難しいね。これっていうのはなかなか決められない。コンディションが良いに越したことはないけど、今がピークではダメだし。本番にピークを持っていけるような、そこでコンディションをグッと上げられる選手は絶対に必要。

福西 ただ、俗に言われる試合勘はあったほうがいいですよね。普段のリーグ戦で出ていないと、一瞬の判断や身体のちょっとした使い方、キレとかが少し鈍ってしまう。

秋田 守備で言えば、相手と対峙した時、何をしてくるかというパターンが瞬時にいくつも頭に浮かんでくる。そのスピードの違いは、ゲーム感覚によるところが大きい。

福西 DFみたいに、リアクションがベースとなるポジションの人ほど、それは感じると思います。

秋田 攻撃の選手でも、意表を突くスルーパスを狙えるかどうか。シュートを打つ時はボールを足にこうやって乗っけようとか、そういうイメージをすぐに描けるんだろうね。

――そうなると、所属クラブで出場機会を得られていない選手は、選考外にするのがベター?

秋田 そうとも言い切れない。試合に絡めていなくても、どうしてもこの選手のこの武器が今の代表に必要となれば、入れるべきだと思う。その際は、同タイプで試合勘のある選手を入れておくのが条件だけど。

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