「神戸はスペクタクルな町」 バルサ・ユース出身の元Jリーガーがイニエスタの日本行きを後押し

2018年05月09日 山本美智子

「日本はパスサッカーに敬意がある」

現地紙のインタビューに応じた元ヴィッセル神戸のアルベルト・トマス氏は、日本行きの噂があるイニエスタについて、「快適な生活が約束されているだろう」と語る。 (C)REUTERS/AFLO

 5月7日、アンドレス・イニエスタが来シーズン、中国には行かずに日本のヴィッセル神戸に移籍する方向で交渉が進んでいるというニュースが世界を駆け巡った。そして一夜明けても、この騒動が収束する気配はない。

 いまから20年前、イニエスタと同じようにバルセロナの育成組織「ラ・マシア」で育った選手が、ヴィッセル神戸でプレーしていた。現在までヴィッセル神戸でプレーしたことのある唯一のスペイン人選手、アルベルト・トマス氏(47歳)だ。

 このラ・マシア出身の、元レバンテの選手に『Mund Deportivo』紙がインタビュー取材を敢行。その内容が現地時間の8日午後、同紙の電子版に掲載された。
 
 トマス氏は、「とてもアドバイスできるような立場にはないが、もし、僕の経験が役に立つというのであれば」と前置きしたうえで、「日本はイニエスタにふさわしい、とてもいい国だ。(移籍先として噂に上る)他の国よりずっといいと思う」と話し、次のように続けた。

「神戸はスペクタクルな町。その意味でバルセロナとよく似ているし、人口もちょうど同じくらいで(約150万人程度)、とても衛生的だし、まるで一般人のように町を歩くことができる。なぜなら、日本人は選手の私生活に関して、とても敬意を払ってくれるからね。リーグのレベルだって、カタールや中国と比べて遜色ないし、なにより快適な生活が約束されている」

 さらに、「要求度はずっと低くくなるだろうが、競争はあるし、すごく真剣なリーグで、週末はスタジアムがいっぱいになる」と、Jリーグについての説明も加えている。

 また、日本のサッカーのレベルについては、「5大会連続でワールドカップに参戦しているのがなによりの成長の証。代表クラスの選手の多くはヨーロッパでプレーしているが、それでもしっかり国内で選手を育てつつ、競争力のあるリーグを作り上げようと各クラブが努力している。中国のように大金をバラまいたりはせずにね」と説明した。

 さらに「ブラジル・サッカーの影響を強く受けていて、実際に多くのブラジル人選手がプレーしている。そして、パスサッカーへの敬意がある」と分析し、だからこそイニエスタは、「サポーターやチームメイトからだけでなく、ライバルチームの選手やファン、そしてレフェリーからも尊敬を集めるだろう」とコメントしている。

文●山本美智子(フリーランス)

次ページ【動画】バルサの公式アカウントに投稿された「イニエスタのラスト・クラシコ」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事