稲本潤一在籍時の「大脱出」の再現も⁉ “神ってる”WBAが奇跡の残留に望み

2018年05月06日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

プレミアリーグ史に残る残留劇になるか。

リバモア(8)のAT弾でトッテナムを破ったWBA。奇跡の残留を成し遂げられるか。(C)Getty Images

 これを「神懸り」と言わずして何と言うのだろう。

 5月5日に行なわれたプレミアリーグ37節、9年ぶりの2部降格が目前だった最下位のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)が、奇跡的に今節でのそれを免れた。

 まずはトッテナムとのホームゲームの2時間半前にキックオフされた、ストーク対クリスタル・パレス戦だ。ストークが勝つと、その時点でWBAの降格が決まってしまう状況だったが、68分まで1点をリードしながらそこから逆転負け。WBAを率いた経験もあるクリスタル・パレスのロイ・ホジソン監督からこれ以上ないアシストを受けた。

 そして迎えた運命のトッテナム戦。引き分けでも降格が決まる厳しい状況で、4位の強豪を相手に劇的な勝利を飾る。0-0のまま突入した後半ロスタイム、CKのこぼれ球をMFジェイク・リバモアが押し込み、千金弾を挙げたのだ。半ば諦めてかけていたサポーターは狂喜乱舞し、本拠地ザ・ホーソンズは興奮の坩堝と化した。
 

"神っていた"のはこの試合だけではない。その30分後に始まったエバートン対サウサンプトンでも奇跡が起きた。残留を争うライバル、サウサンプトンが1点をリードして後半のアディショナルタイムに突入。ついにWBAも万事休すか、と思われたその瞬間だった。

 なんと95分に、エバートンのトム・デイビスが同点ゴールを叩き込んだのだ。WBAは1日にニ度も九死に一生を得たのだった。

 これでストーク(勝点30)を抜いて、25節以来の最下位脱出となったWBA(勝点31)だが、崖っぷちの状態はもちろん変わっていない。5月8日に行なわれる18位スウォンジー対17位サウサンプトン(ともに勝点33)でどちらかが勝ってしまうと、2部落ちが決定してしまうのだ。

 その試合がドローに終わったうえで、最終節のクリスタル・パレス戦に勝利。そして、サウサンプトンとスウォンジーがともに負けた場合のみ、残留する可能性が残されている。サウサンプトンには得失点差で4点を許しているため、ゴールを多く奪っての勝利が必要となる。残留の可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

 だが、ほかでもないこのチームなら、その奇跡を起こせるかもしれない。

次ページ稲本がプレーしていた13年前にも奇跡を起こす。

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