【独占激白|後編】ポドルスキが語る日本サッカー「“ただそれがあるだけ”では意味がない」

2018年03月30日 高村美砂

大きなビジョンを掲げ、クラブ運営やチームのあり方を明確にするのは良いこと

今季は攻撃の組み立てにも積極的に関与。鳥栖との開幕戦では、自らのパスを起点に同点ゴールが生まれた。写真:徳原隆元

――ヴィッセル神戸にも素晴らしいスタジアムがあり、今年は練習場やクラブを取り巻く環境も整備されつつあります。
 
「おっしゃる通り、ノエビアスタジアムは素晴らしいホームスタジアムです。練習場も二面のグラウンドのうち、一面にハイブリッド芝が導入され、クラブハウスも整備されるなど、ヴィッセルを取り巻く環境は日々、良くなっています。
 
 もちろん、まだまだ改善の余地はありますが、大事なのは、クラブが改革に着手し、僕が加入した半年前よりクラブの水準が少しでも高くなっていることです。この歴史の積み重ねが、クラブが大きくなっていく要素のひとつだとも思います。
 
 ただし、素晴らしい街やスタジアム、環境があっても〝ただそれがあるだけ"では意味がありません。クラブは常に先を見て発展し続けなければいけないし、強豪クラブに変貌を遂げるには、『タイトル』の歴史を作っていかなければいけません」
――「タイトル」獲得に向けて、今年の新体制記者会見で三浦淳寛スポーツダイレクターは「FCバルセロナを目指す」と宣言し、吉田孝行監督は「攻撃的なサッカーの実現」を明言されました。その言葉をどう受け止めましたか?
 
「当然ながら僕たちはバルセロナではないし、目標があまりに抽象的すぎてその質問に答えるのは難しいです。とはいえ、大きなビジョンを掲げ、クラブ運営やチームのあり方を明確にするのは良いことだし、そこはクラブが責任を持って改革に取り組んでくれるでしょう。
 
 そのなかで僕たち選手は何をすべきかと言えば、クラブの方針、監督の目指すサッカーを受け入れ、ピッチ上でしっかりと表現すること。それをより高いレベルで実現するために日々、真摯にサッカーと向き合うだけです。
 
 さらに言えば、監督にどれだけ素晴らしい哲学があっても結局、大事なのはピッチでの結果だからこそ、チームに関わるすべての人々がいかに『結果』にフォーカスして熱を注いでいけるかが大事だと思っています」

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