「ミランの希望の星」は19歳FW! 高額加入のカリニッチやA・シウバを得点率で…

2017年12月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

決定力不足に喘ぐチームにあって…。

先のミラノ・ダービーでは値千金の決勝ゴール。クトローネはヒーローとなった。写真:Alberto LINGRIA

 2017年夏はクラブ史上でも屈指の超大型補強を敢行しながらも、不振に喘いでいるのが、ミランだ。
 
 ヨーロッパリーグ(EL)こそ決勝トーナメント進出を決めたが、セリエAでは13節までに早くも6敗。14節終了後にはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が解任され、プリマベーラ(U-19チーム)を率いていたジェンナーロ・ガットゥーゾがトップチームに昇格したが、その後も1勝1分け2敗と振るわず、18終了現在で目標のチャンピオンズ・リーグ出場圏内(4位以内)から14ポイント差の9位に沈む。
 
 大きな課題のひとつが、決定力不足だ。シュートはナポリの262本に次ぐリーグ2位の249本を放ちながら、ゴール数は同11位の23得点。1ゴールを奪うのに10本強のシュートを必要としている計算で、1試合平均得点は1.28。上位を狙うにはあまりにも心許ない数字だ。
 
 ここまでフィニッシュを主に担うCFを任されてきたのは、ニコラ・カリニッチ、アンドレ・シウバ、パトリック・クトローネの3人。とりわけ結果を出せていないのが、フィオレンティーナから買い取り義務付きレンタルの計2500万ユーロ(約33億円)で加入したカリニッチ、ポルトから3800万ユーロ(約49億円)で獲得したA・シウバという両新戦力だ。
 
 現時点でレギュラーのカリニッチは、ポストワークのみならずフィニッシュも及第点以下。セリエAの16試合(先発14)で4得点という数字はエースとしてはいかにも物足りない。周囲とまだ噛み合っていないA・シウバはプレーオフで2ゴール、本選で6ゴールとELでは結果を残しているが、セリエAでは11試合でノーゴールと不発だ。
 
 一方、いわば希望の星と言えるのが、19歳のクトローネだ。先発は公式戦通算で11試合ながら(総出場は23試合)チーム最多の9ゴールを挙げているのだ。12月27日のインテル戦(コッパ・イタリア準々決勝)でも途中出場から延長戦に値千金の決勝ゴールを決めた。そのダービー後には次のように語った。
 
「夢みたいだよ! 僕はついこないだまでユースにいたのに、トップチームでミラノ・ダービーに出場して、サン・シーロでこうやって勝利とゴールを祝うことができるなんて。まだ信じられないよ! 僕はミランを愛しているし、なんとしてでもゴールを決めて勝ちたいという思いでピッチに立った。今回のゴールは家族に捧げたい」
 

次ページそもそもはレンタル移籍が濃厚だった。

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