【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|鹿島ユース編

2014年05月13日 安藤隆人

熊谷監督が求めるファイティングスピリット

鹿島ユース
チーム拠点:鹿島アントラーズクラブハウスグラウンド
茨城県鹿嶋市栗生東山2887
クラブ創立:1947年(前身:住友金属工業㈱蹴球同好会)
主なOB:曽ケ端準、野沢拓也、川俣慎一郎、土居聖真、宮内龍汰、小泉勇人(いずれも鹿島)など。 (C)SOCCER DIGEST

 昨年まで3年に渡って指揮を執っていたブラジル人のキッカ監督から今年、これまでユースコーチを務めていた熊谷浩二氏がバトンを受け、新監督に就任した。
 
「キッカ監督が3年間やってきたことを継続しながらやっていきたい」と熊谷監督が語るように、攻撃的で常に前を狙うサッカーは継承しながらも、そこに『力強さ』というプラスアルファを植え付けようとしている。
 
「練習は去年までよりキツくなっています。練習中の雰囲気も熊谷監督になってから、かなりピリピリしている。熊谷監督は激しく戦うことを求めていて、練習中の球際も激しくなっているし、『もっと戦え』とよく言われます。でもそのおかげで、去年より前へ前へという意識は強くなっていますね」
 
 こう証言するのは、2年生MFの垣田裕暉だ。現役時代はトップチームで116試合に出場、2000年度の三冠達成時の主軸でもある熊谷監督は、鹿島で培われたそのファイティングスピリットをユースに還元すべく、選手たちには戦うことを厳しく要求している。
「よりアグレッシブに、攻撃時はそれぞれの持ち味を出してほしい。ただ守備はしっかりと意識を持ってハードワークしていく」
 
 今年のチームは攻撃のインセンティブを保ちながらも、守備では相手の布陣に合わせて、長所を消すやり方にトライしている。基本的にはマンツーマンで相手に自由を与えず、激しいプレスと球際でボールを奪い取ったら、一気に前線に展開してドリブルなどを駆使して攻め込んでいく。チームとしての方向性が明確に打ち出されたサッカーだ。
 
 3年生の怪我もあり、チームは2年生が主体となっているが、最前線にはフィジカルが強く、ポストプレーが巧い3年生のFW鈴木優磨が構える。この鈴木をターゲットに、技術の高い色摩雄貴、田中稔也、吉岡樹利也という2列目の2年生アタッカーが一気に飛び出して、分厚い攻撃を仕掛ける。
 
 ボランチは戦術眼の高い2年生MFの平戸太貴がバランスをとり、最終ラインは昨年から主力としてCBを務める寺門宥斗と187センチの高さを誇る2年生DFの町田浩樹が統率する。大里優斗と宮本健太の両SBも2年生で、彼らが積極的な攻撃参加を見せ、アタッカー陣をサポートする。
 
 開幕から5試合を消化し、ほぼ同じメンバーで戦っているが、成績は1勝2敗2分けと黒星が先行している。だが、結果とは裏腹に、内容的にはチームは着実な成長を見せている。

次ページ内容は評価に値するも勝ち切れない試合が続く

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