ポーランドの「強み」と「弱み」は? レバンドフスキを中心に攻撃は充実している一方で…

2017年12月03日 遠藤孝輔

ポーランド国内では余裕が窺える。

ポーランドの攻撃を牽引するレバンドフスキ。バイエルンでも傑出した得点能力を発揮する主砲は、言うまでもなく日本の脅威となるはずだ。 (C) REUTERS/AFLO

 日本代表がポーランド代表と最後に戦ったのは、2002年3月まで遡る。自国開催のワールドカップを控えるフィリップ・トルシエ監督のチームが、敵地ウッチで2-0の完勝を収め、勢いと自信をつけた一戦だ。
 
 当時のテストマッチを経験した選手は、どちらも現代表に残っていない。ロシア・ワールドカップで16年3か月ぶりに実現する再戦は、互いに陣容も戦術も大きく変化している以上、事実上の初対戦と表現してもいいだろう。前回大会で対戦したコロンビアはともかく、日本はポーランドとセネガルを一から研究する必要がある。
 
 12月1日の組み合わせ抽選会直後のポーランド国内の反応からは余裕が窺える。
 
 現地最大の日刊紙『FAKT』が「幸運なドローになった」と報じれば、元ポーランド代表のアタッカーであるチェザリー・クチャルスキは自身のツイッターに「良いドローだ」と投稿。ベスト8より上を目標としているチームの視界は良好との見方が多い。
 
 その自信の根拠を挙げれば、それこそ枚挙に暇がない。
 
 最新のFIFAランキングは欧州勢では5番手の7位。EURO2016ではポルトガルにPK戦の末に敗れたとはいえ、準々決勝進出で過去最高成績を更新した。迎えた今大会の予選ではロベルト・レバンドフスキが大爆発。ワールドカップ予選の歴代最多得点記録(16)を塗り替えた大エースを牽引車に、3大会ぶり8回目となる本大会出場への切符を勝ち取った。
 
 レバンドフスキの実力と人気が傑出している一方で、決してワンマンチームではないのも事実だ。
 
 両足から精緻なパスを繰り出すトップ下のピオトル・ジエリンスキ、ビルドアップの起点になるボランチのグジェゴシュ・クリホビアク、モナコでもDFリーダーを務めるCBのカミル・グリクは、エースとともに太いセンターラインを形成し、サイドにも香川真司のドルトムントでの新旧チームメイトであるSBのウカシュ・ピシュチェク、ウイングのヤクブ・ブワシュチコフスキなど好タレントが揃う。
 
 戦術的な強みは縦志向の強い攻撃で、レバンドフスキに楔のパスを送ってから左右に展開する形が多い。グリクが得意とするロングフィードで一気にサイドの深い位置までボールを送るのは、エースへのパスコースがない時だ。
 
 崩しの切り札となるのは左ウイングのカミル・グロシツキで、鋭い縦への仕掛けからクロスに持ち込むのが上手い。マッチアップが予想される日本代表の酒井宏樹は、攻撃より守備に忙殺される時間が長くなるかもしれない。

次ページ守備の組織力に欠陥! 日本にも勝機がある。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事