なぜ経営危機からJ1初昇格を掴めたのか? 長崎を支えたキャプテン村上佑介が語る舞台裏と新たな挑戦

2017年11月25日 森本茂樹

経営危機からJ1昇格――経営体制が替わりチームも変わった。

J1昇格決定後にサポーターへ向けて挨拶をする村上。今季は6試合の出場にとどまったが、裏方でチームを支え続けた。

 J2リーグは11月19日にリーグ戦全日程を終え、J1昇格をかけたプレーオフが26日より始まる。自動昇格を決めたのは、湘南ベルマーレとV・ファーレン長崎。今シーズンのスタート時には、経営危機によりチームの存続も危ぶまれた長崎だったが、8月27日の30節より13戦無敗、10勝3分という成績で自動昇格を決める2位に食い込んだ。劇的なラストを飾ったチームを支えたキャプテン村上佑介選手に、話を聞いた。
 
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【長崎 3-1 讃岐 PHOTO】長崎がクラブ史上初のJ1昇格を決める!
 
 シーズン開幕前に、3億円を超える累積赤字によりチームが経営危機に陥っていたV・ファーレン長崎。2月26日、そんな不安定なチーム状況のなか、開幕戦を迎えた村上は、「現在、長崎ではサッカーではなく、経営が話題になっています。それは選手にとっては悲しいことで、サッカーで結果を出して、そんな話がなかったように、覆していきたい。サポーターには、そのサポートをお願いしたいし、選手を鼓舞してもらいたいと思っています」と話していた。
 
 4月下旬にユニホームの胸スポンサーでもあった地元企業の通販大手ジャパネットホールディングス(HD)創業者の髙田明氏が新社長に就任。経営の心配がなくなり、チームを取り巻く環境が一変した。村上はその効果をこう語る。
「チームがガラッと変わったと思います。環境面も充実しましたし、選手が言い訳できない状況になり、プレーに集中できるようになりました。プロ意識がより一層高くなったとも思います」

次ページチームの一体感はどのようにして作り上げられたのか?

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