【現地発】ペップも惚れ込む! ナポリの「ポゼッションによる速攻」がいま面白い!

2017年11月03日 片野道郎

CLベスト16行きは難しくなったものの…。

世界でも指折りの魅力的なスタイルを実践するナポリ。悲願のスクデットを勝ち取れるか。(C)Getty Images

 現地時間11月1日夜に行われたチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ第4節で、マンチェスター・Cに2-4で敗れたナポリ。4試合を終えた時点で勝点3、グループ2位のシャフタールと6ポイント差の3位と低迷しており、ベスト16進出がかなり難しくなった。 
 
 勝ち上がりのためには、ホームにシャフタールを迎える直接対決(次節)を含む残り2試合に連勝し、さらに最終節でマンチェスター・Cがシャフタールを破ることが条件。これが満たされない場合には、グループ3位でヨーロッパリーグのベスト32に回ることになる。
 
 そんな非常に難しい状況にあるにもかかわらず、今シーズンのナポリに対しては、イタリア国内はもちろんのこと国外からも、大きな注目、そして賛辞が集まっている。「ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・Cと並んで、いまヨーロッパで最も美しいサッカーを見せるチームのひとつ」というのがその一致した評価だ。
 
 それを象徴するのが、当のグアルディオラが、試合後のインタビューで語った次のようなコメントだ。
 
「ナポリにこの2週間で2勝できたのは、私にとって素晴らしい偉業だ。おそらく私が今までの監督キャリアを通して対戦した中で一番強いチームだから。現時点で世界最高峰のチームのひとつだろう。
 
 ナポリがどんな風に戦うかは完璧にわかっていたから、左サイドを封じることを考えたよ。しかし、彼らのプレースピードがあまりにも速く、我々は常に遅れて後手に回るばかりだった。最初の20分はズタズタにされた。
 
 私はナポリのサッカーに惚れ込んでいる。彼らは狭いスペースでのプレーなら現時点で世界最強のチームだ。4、5メートルのパスで相手を翻弄し、ハムシク、インシーニェ、グラン、ジョルジーニョがその裏を衝き、スピードに乗ってぶっちぎる。考える時間などまったく与えてくれない。立ち上がり、我々は彼らと戦うのに十分な勇気を持てず、ロングボールに逃げてしまった。
 
 サッカー界において、ナポリのようなチームは必要だと思う。今後の健闘を祈っている」
 

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