フローニンゲン堂安律が明かす「好調の要因」と「ハリルジャパンへの想い」

2017年10月16日 中田徹

「あいつに出せば何かが生まれる、というプレーができている」

試合を重ねるごとに自信を深めている印象の堂安。AZ戦でもPKを奪取し、チーム唯一の得点に絡んだ。(C)Getty Images

 オランダ1部リーグ、フローニンゲンの堂安律が好調だ。
 
 公式戦で2試合連続ゴールを決めている堂安はアーネスト・ファーバー監督とチームメイトからの信頼をしっかり掴み、国際マッチウイーク明けのAZ戦(8節)でも52分にPKを奪取、ミムン・マヒ―のゴールに絡んでみせた。
 
 1-1のドローに終わった試合後、堂安はPK奪取のシーンに好調の秘密があると明かした。
 
「パスを受けてからの反転とかは、すごいスムーズに行けたのでイメージ通り。『ディフェンスが来るだろうな』という意識がありました。相手が完全に押してきたのでシミュレーションでも何でもないです。好調の要因はその"冷静さ"なのかなと思います。(ペナルティーエリアの中にいる堂安に対して)そこに味方がパスを出してくれるようになっている。信頼を完全に得たのかなと思います」
 
 残念だったのは86分、幻の決勝ゴールだ。味方がハーフウェーラインからヘッドで前線に送ったボールを、堂安が頭で突いてキーパーを交わし、AZゴールにシュートを流し込む。しかし近くにいたマヒーがオフサイドを取られ、ノーゴールと判定されてしまったのだ。
 
「仕方ないですね。文句なしに決められるようにしたい。前半もシュートのチャンスが何回かありましたし、ああいうところで決められたら文句はない。だけど、ここ3試合連続で出ていて、得点には全部絡めています。全部、自分から攻撃が始まっている、というイメージでいたいです。『あいつに出せば何かが生まれる』というプレーが、ここ最近できていると思います」
 
 この日の堂安は、ドリブルの推進力にも目を見張るものがあった。相手に身体をぶつけられても、ゴリ、ゴリ、ゴリと音が聞こえてくるような迫力で、堂安は相手に身体を逆にぶつけ返し、前へボールを運んでいった。
 
 試合前、堂安は首脳陣から「ユー・アー・ストロング。お前は、身体が強いから前でボールをキープしてくれ」と言われたという。そこからのアクションを虎視眈々と、堂安は狙っていた。
 
「PKをもらった時のように、どこかで隙を見て入り込んでいく。自分の特徴であるドリブルも局面局面で出せているので、良くなってきてると思います。前半のような『(前へ)持っていくドリブル』とかが、自分の特徴。今日は2、3回ぐらいできました。手応えありの試合です」

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