【現地発】アセンシオが「メッシ・パターン」でスター街道を邁進! ジダンの的確な庇護とは?

2017年10月08日 エル・パイス紙

違約金は驚愕の5億ユーロに設定される。

マドリーに正式入団してまだ2年目のアセンシオだが、早くもスター街道を駆け上がる。(C)Getty Images

 フットボーラーの「スター街道」の歩み方には、一定の法則が存在する。大半は早くに頭角を現わす早熟タイプ。その中で特急列車のように一直線で頂点に到達する選手、準急列車のように何度かの停車を経ながら進化を遂げていく選手という主に2つのパターンに分かれる。
 
 もちろん、全員がスターになれるわけではない。何度かの停車を繰り返している間に、普通列車に格下げになってしまい、そのまま大したスポットライトを浴びることなくひっそりとスパイクを脱ぐ選手も少なくない。
 
 現在、スペインでそうしたいずれのパターンの法則にも当てはまらずに、スター街道を突き進んでいる選手がいる。マルコ・アセンシオだ。21歳の天才レフティーが現在、レアル・マドリーで示しているのは間違いなくスターの片鱗だ。
 
 しかしながら、徐々に出場機会を与えながら才能を開花させるという若手への確固たる育成方針を持つジネディーヌ・ジダン監督の采配、そしてBBCトリオ(ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド)という指揮官が今も不動のレギュラーと位置付ける強力ライバルの存在が、アセンシオの定位置確保を阻んでいる。
 
 もっとも、マドリーがアセンシオに与えている待遇は次期スター候補のそれだ。2014年12月にマジョルカから獲得し、同14-15シーズンはレンタルの形でそのまま残留。翌シーズンのエスパニョールでの武者修行を経てマドリーに正式入団したのは2016年夏。わずか1年ちょっと前のことだが、クラブはこの短期間の間に3度も契約更新を行なった。9月29日にも新契約を締結。これに伴い2023年6月まで期間が延長され、違約金は驚愕の5億ユーロ(約640億円)にまで跳ね上がった。
 
 まだ不動のレギュラーの座を得るには至っていないが、昨夏はプレシーズンキャンプが始まる前にトップチームで背番号を与えられるかどうかの確約すらされていなかった若手は、40数試合の出場を経てBBCトリオに脅威を与える存在へと大幅にステイタスを上昇させているのだ。
 
 そのプレーはスペイン代表のジュレン・ロペテギ監督の目にも留まり、ここにきて継続的に招集を受けている。ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)でもその活躍ぶりは目覚ましく、マドリーよりも早く定位置を奪取しそうな勢いだ。
 

次ページライカールトと同じことをジダンも――。

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