【現地発】バルサのプレミア参入は非現実的! ただリーガ残留も一筋縄では…

2017年10月06日 工藤拓

現行のスペイン・スポーツ法では…。

住民投票当日のラス・パルマス戦でバルサは、カタルーニャ旗のユニホームを試合前に着用。独立支持の姿勢を改めて打ち出した。(C)Getty Images

 カタルーニャ州政府が週明けにもスペイン王国からの独立を宣言しようとしている。
 
 とはいえ言うまでもなく、一国からの分離独立はそう簡単にできるものではない。そもそも10月1日に強行された住民投票をはじめ、州政府がやっていることはみなスペインの憲法を無視した違法行為であり、彼らがいくら「独立した」と主張したところで、法的な根拠は何もないのだ。
 
 ゆえにカタルーニャが独立を宣言した後も、FCバルセロナをはじめエスパニョール、ジローナといったカタルーニャのクラブは、引き続きスペインのコンペティションで戦うことになるだろう。独立を認める気がない以上、スペイン側がカタルーニャのクラブを追い出すことはありえないし、カタルーニャのクラブにも出て行くメリットはないからだ。
 
 それでもカタルーニャが分離独立への道を邁進していることは確かであり、将来的に「カタルーニャ共和国」が誕生する可能性は否定できない。そしてその場合、カタルーニャのあらゆるクラブは、スペインのコンペティションで戦うことができなくなる。
 
 スペインのスポーツ法では、プロ、アマを問わずあらゆる国内の公式コンペティションに参加する条件として、然るべき連盟・協会への所属が義務づけられている。サッカーにおいてはRFEF(スペイン・サッカー連盟)がそれに当たる。
 
 さらにRFEFの規約では、スペイン国内のコンペティションに参加するためには同連盟への加盟登録に加え、傘下の自治州協会への登録も義務づけられている。
 
 よってカタルーニャが分離独立した場合、FCF(カタルーニャ・サッカー連盟)は自動的にRFEFの傘下から外れ、同時にFCFに登録している全てのクラブがスペインのコンペティションで戦う資格を失うことになる。
 
 そしてもちろん、スペインのコンペティションに参加できなければ、当然ながらチャンピオンズ・リーグ(CL)、ヨーロッパリーグといった欧州のコンペティションにも出場できなくなる。
 
 つまりこのままでは、バルサがリーガからもCLからも消えるのだ。

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