【セルジオ越後】V・ファーレンの“観客水増し”はなぜ起きたのか?

2017年07月28日 サッカーダイジェスト編集部

水増しの数によって制裁金の額が変わるのも、いかがなものか。

入場者数の水増しでペナルティを受けたV・ファーレン。制裁金300万円とけん責処分を科された。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 J2のV・ファーレン長崎が、観客動員の数を水増ししていたことが明るみになったね。
 
 Jリーグによれば、2015シーズンの開幕から、今季の6節までのホームゲーム全46試合中45試合において、入場者数を少なく見積もって約20,000人を上乗せしていたという。
 
 運営関連のスタッフや、入場券を持たない無料観客等もカウントしていたらしく、Jリーグは制裁金300万円と、けん責処分を科した。
 
 本当のところは、いかなる背景があって今回の一件が起きたのか知らないけど、邪推すれば、スポンサー対策だったのではないかと勘繰ってしまうよ。自分たちのクラブはこれだけの観客を動員しています、ということをアピールするための策だったのではないか、と。
 
 また、Jリーグはすべての公式戦を含めて、1000万人の動員をひとつの目安と考えているよね。そのプレッシャーを感じて、誤った数字を計上していたとしたら、あまり歓迎できないことだね。
 
 もっとも、例えば2万人の入場者を数えたのに、それを1万人としか申告していないことに比べれば、まだマシなのかもしれない。1万人分の売り上げが不明になって、誰かがくすねたと言われても仕方がない。これだと刑事事件になってしまうからね。
 
 観客動員の水増しは、以前にもあった。2010年には、アルディージャが複数年に渡って入場者数を多く見積もって発表していたことが発覚。その数は11万人以上にのぼり、制裁金は2000万円だった。この額を考えると、V・ファーレンへのペナルティは若干、緩いと言えるかもしれない。
 
 ただ、水増しの数によって制裁金の額が変わるのも、いかがなものか。10円を盗んでも、1000円を盗んでも、泥棒は泥棒だ。行為自体は同じなんだから。
 
 V・ファーレンはクラブ経営の悪化が原因で、今年4月に経営陣が変わった。つまり、現在のフロントからすれば、自分たちは何もしていないのに、300万円を支払わなければならないんだから、その点に関しては気の毒に思うよ。

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