最悪の前半はなぜ回避できなかった? U-20日本代表が結成以来アジアで初失点、初黒星…

2017年07月24日 川端暁彦

指揮官も「あんなに消極的になってしまう理由は何だったのか……」と絶句。

今予選を2勝1敗とした日本。なんとか予選を通過したものの課題も見えてきた。写真:佐藤博之

 前半のゲーム内容を思えば、敗れるべくして敗れた試合だった。U-23アジア選手権予選の第3戦で迎えた東アジアの眠れる獅子・中国との対戦において、U-20日本代表は何とも厳しい試合をしてしまった。内山篤監督が率いたこの2年半。アジアの公式戦ではいまだ無失点を誇ってきたチームだったが、その記録も途絶える形で1-2の敗戦を喫することとなってしまった。
 

 東京五輪世代でチームを組んでいる日本と異なり、中国は2歳年長の選手たちで構成されたチームである。日本で言えば、南野拓実や中村航輔、三浦弦太、井手口陽介といった選手たちの世代だ。その中にはかつて富山や福岡でプレーしていたDFコ・ジュンイのような選手も含まれている。「フィジカル面では中国が上だった」というMF遠藤渓太の言葉は率直な実感ではあるのだろう。もっとも、「中国が強いから負けた」と言えるような試合ではなかった。
 
 どんなチームにもまずい試合をしてしまう時というのはあるもので、たとえば昨年のU-19選手権予選の初戦となったイエメンとのゲームも「最悪の前半」だった。ただ、この時の理由は明白で、初戦のプレッシャーの中で平常心を保ったプレーができなくなってしまったことが要因だった。ないに越したことはないが、若い選手たちにはありがちなことである。「それもまた経験」と言える失敗だった。
 
 だが、今回はどうだったか。「疲れもあったのかもしれない」と遠藤も首をひねり、内山監督も「あんなに消極的になってしまう理由は何だったのか……」と絶句してしまうような流れだった。
 

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