【ミラン番記者】本田圭佑がセリエAで「MF」扱いされない理由

2017年05月17日 マルコ・パソット

今シーズンのミランは「ラッキー」だ!

ミランがシステムを変えたアタランタ戦も、本田には出番が訪れなかった。写真:Alberto LINGRIA

 次節のサン・シーロでの最後の試合(5月21日のボローニャ戦)を目前に、来シーズンへの模索と、今シーズンの現実との間で本田圭佑は生きている。
 
 それにしても、今シーズンはラッキーである。もちろんミランにとってだ。ここ5試合で獲得したのはたった3ポイントと普通ならば降格レベルの結果しか残せていないにもかかわらず、インテルをはじめライバルたちが同じく躓いているため、ミランは幸運にもいまだ6位に付けているのだ。
 
 このままこの順位を死守できれば、3年ぶりにヨーロッパの舞台に戻ることができる。チャンピオンズ・リーグ(CL)ではなくヨーロッパリーグ(EL)ではあるが、今シーズンの戦力を考えれば悪くない成績だ。
 
 ただ、天地がひっくり返るような事件でも起きないかぎり、来シーズンのミランに本田はいない。6月30日の契約満了をもっての退団が既定路線だからだ。EL行きが決まったとしても、彼はあまり嬉しくはないかもしれない。
 
 ミランが欧州カップ戦から遠のいていた3年間は、ちょうど本田がミランに在籍していた時期と合致する。2014年1月の加入直後、ミランはCLラウンド・オブ16でアトレティコ・マドリーと戦っているが、本田はすでに同シーズン前半戦にCSKAモスクワの選手として欧州の舞台でプレーしていた。UEFAの規定により、ミランではCLに登録できなかったのだ。
 
 ただその時はまさか、それが本田のミラン在籍中の唯一の欧州カップ戦であるとは想像すらもできなかったが……。
 
 そんな本田には最近、スペインのレバンテが強い興味を示しているようだ。今シーズンは2部リーグを戦っているが、来シーズンの1部リーグ昇格が決定済みで、クラブ幹部は移籍金ゼロでメディア&サポーター受けがする日本代表に大きな期待を寄せているという。個人的には前回のコラムで書いた通り、アメリカのMLSが一番のお薦めだが、欧州トップリーグに残れるという意味でも、こちらも負けず劣らずの新天地だと思う。本人はどう考えているのだろうか。

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