【ミラン番記者】本田圭佑に「お薦めの新天地」はスペインやイングランドではなく…

2017年05月12日 マルコ・パソット

シアトル・サウンダーズ行きの可能性はもはや…。

今夏のミラン退団が確実視される本田。はたして新天地は? (C)Getty Images

 5月7日のローマ戦(●1-4)でミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は後半に入ってすぐ、本田圭佑にウォーミングアップを命じた。だが、もう誰もぬか喜びはしないだろう。ほとんどの場合、それが交代には繋がらないからだ。
 
 実際、今回もまたしかり。モンテッラは本田をアップさせておきながら、ピッチに送り込んだのはルーカス・オカンポスだった。今シーズンすでに何度も通った道、何度も見てきた風景で、新たな出来事は何もない。
 
 残り3試合の現時点ですでにこの1年は、本田にとって忘れてしまいたいシーズン、キャリアの中でも最悪のシーズンであることは確定だろう。彼が幼いころから夢見ていたというミランでの冒険は、いま考え得る限り一番悲しい終わり方をしようとしている。
 
 8か月半でプレーしたのはわずか97分。もちろんあと3試合は残っているから、その数字をもう少し伸ばすことはできるかもしれない。しかし、ヨーロッパリーグ出場権を得られるかどうかの瀬戸際にいるミランにとっては、どれひとつとして落とせない大事な試合(アタランタ戦、ボローニャ戦、カリアリ戦)だ。本田がプレーする可能性は残念ながらとても低い。
 
 そんな本田が今すべきことは、何よりも新天地探しだ。ミランに今年6月30日で切れる契約を更新するつもりはなく今夏の退団は確定事項。これまでも色々な噂は出てきているが、もう一度それを整理して、はたしてどこのリーグに行けばもっとも本田が幸せになれるのか、私なりに吟味してみた。
 
 まずはアメリカだ。皆さんの記憶にもまだ新しいだろうが、2月下旬にはMLSのシアトル・サウンダーズにあと一歩で移籍というところまで話が進んでいたものの、結局は実現しなかった。
 
 本田が前倒しでチームを出ていくことに、ミラン(つまりモンテッラ)が難色を示したからだ。怪我人などで層の薄くなったスカッドをこれ以上減らしたくないというのが、その理由だった。ただ、実際には1月にジェラール・デウロフェウとオカンポスが加入にしたため、本田がプレーする場所はほとんどなくなっていたのだが……。
 
 とにかくこうしてシアトル行きは凍結となり、その後に移籍の可能性は日を追うごとに低くなった。今ではもう話自体が消えているとする向きは多い。

次ページ本田の足ではプレミアリーグは無理だろう。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事