【横浜】「感謝の気持ちを込めて」。中村俊輔と両手で握手した遠藤渓太が飛躍を誓う理由

2017年04月11日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「俊さんが相手だったから、この試合には絶対に出たかった」

磐田戦で鋭い仕掛けを見せた遠藤。「点を取って、チームに良い雰囲気を持ち込みたい」とさらなる活躍を誓う。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ6節]横浜2-1磐田/4月8日/日産ス

 ひとりだけ、対応が違っていた。それが実に印象的だった。
 
 試合後のピッチ上での挨拶。磐田の選手たちが、横浜の選手たちと握手をするために移動してくる。それを迎えるなか、遠藤渓太だけは、相手の背番号10に対して、深々と頭を下げながら、両手を差し出していた。
 
「感謝の気持ちを込めて」と、遠藤は中村俊輔の手を握った。
 
「いろんなことを教わりました。去年の最初のほうは、自分は試合に出れていて、その時も、俊さんはピッチ内外でよく話しかけてくれて、だいぶ気持ちが楽になれたんです。練習が終わった後の自主トレにもたまに誘われたりして、それでチームに溶け込みやすかったし、やりやすかった。
 
 シュート練習を一緒にやっても、『お前、絶対にそっち打つよな』とか『そうすると思った』とか、全部見透かされていて……。本当に、教わったことは多いですね。俊さんが相手だったから、この試合には絶対に出たかった。ベンチから見ていても、やっぱり上手いなって思っていました」
 
 ホームでの磐田との一戦で、遠藤は負傷交代したマルティノスに代わり、83分に途中出場を果たす。限られたプレータイムのなか、背番号18は少なくとも二度、果敢なドリブル突破でスタンドを湧かせてみせる。
 
「自分に求められているのは、前への推進力だと思うし。ああいう時間帯でインターセプトして、前に行って時間を稼げたら、チームとしても楽になる。(相手が)バックパスすれば、全部自分がスプリントして、何度でも追い回すつもりでいました」
 
 この試合には、U-20日本代表の内山篤監督が視察に来ていたという。今年5月に開幕するU-20ワールドカップへの出場を目指す遠藤にとっては、チームメイトの負傷というアクシデントがあったとはいえ、自らの存在を示すチャンスでもあった。
 
「自分のチームで試合に出ないと、アピールにもなにもならない」
 
 世界の舞台はひとつの目標として、まずは横浜でどれだけ結果を残せるかが重要になる。「試合に出たら、100パーセントやるだけ。それを代表活動につなげたい」と遠藤本人は話す一方で、自身の成長が、クラブの飛躍につながるとも考えている。
 
「自分みたいな若い選手がゴールを決められたら、たぶん、もっともっとF・マリノスは良くなっていくと思う。点を取って、チームに良い雰囲気を持ち込みたい」

【横浜 2-1 磐田 PHOTO】横浜の新10番・齋藤の2アシストで磐田を撃破!

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