【現地発】久保裕也がハードマークに沈黙…それでも「攻撃的な気概」を見せる

2017年04月10日 中田徹

執拗なマークに苦しみ、シュートも枠に飛ばず。

佳境を迎えるにつれてチームのキーマンでもある久保に対するマークは執拗さを増している。今はそのなかで結果を出す術を模索している段階か。 (C) Getty Images

 現地時間4月9日に行なわれたアンデルレヒト対ヘント戦は、見どころの少ない試合展開となった。ビッグチャンスは51分にアンデルレヒトのユーリ・ティーレマンスのシュートがバーを直撃したシーンのみ。その内容通りに結果もスコアレスドローとなった。
 
 ベルギーリーグ・プレーオフ1第2節は3試合とも引き分けに終わったため、各チームの順位に変動はなし。首位はアンデルレヒトで、ヘントはヨーロッパリーグ出場圏内の3位に付けている。
 
 この試合、トップ下で先発出場した久保裕也は、アンデルレヒトのアンカー、レアンデル・デンドンカーの執拗なマークに苦しんだ。幾度かバイタルエリアでボールを受けたが、久保は敵に脅威になることはできず最初の45分間を終えた。
 
 後半からヘントのハイン・ヴァンハーゼブルック監督は、CFのジェレミー・ペルべの右脇にモーゼス・サイモン(前半は左ウイング)、そして左脇に久保を置く「変則3トップ」を採用し、攻撃に変化を付けようとした。この采配が功を奏したのか、シンプルにゴールへ向かう久保の良さが出始める。
 
 48分、ペルベが下がってボールを捌き、右ウイングバックのトマ・フォケのクロスがアンデルレヒトのゴール前を横切ると、久保がフリーになってスライディングボレーを試みる。しかし、シュートは大きく枠を逸れてゴール裏の観客席に飛んだ。
 
 55分には久保が左サイドから長距離ドリブルを仕掛ける。そして2人をかわしてからミドルシュートを放ったが、これは相手DFに当たってからバーの上を越えてしまった。
 
 58分のシュートは、FKのこぼれ玉をバイタルエリアで拾って、ボールを一旦左に持ち出してから打ったものだったが、やはりゴールの枠を捉えきれなかった。後半序盤に久保が放ったシュートはいずれも、アプローチまでは素晴らしかったが、抑えが効かずに上へ外れてしまった。
 
 70分、久保はペナルティーエリア内左側へ走り込み、ボランチのダニエル・ミリチェビッチの縦パスをピタリと止めてから、すかさずシュートする難易度の高いプレーをみせたが、この日4本目のシュートも枠を捉えられず、85分にベンチに退いた。

 冬の電撃加入後、レギュラーシーズンで5ゴールを決めてヘントの救世主となった日本代表FWには、アンデルレヒトも前節のクラブ・ブルージュと同様にマンマークを付けて消しにかかってきた。シュートを打つ瞬間にも敵に寄せられてジャストミートできなかったのは、何よりもそれゆえだ。

次ページ幾度のチャレンジが血となり肉となる。

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