【高校サッカー】中村駿太の加入で青森山田はどう変わる? 早くもポジティブな化学変化が

2017年03月26日 安藤隆人

東欧のタレント軍団を相手に見事な完封勝利。

2冠王者としての重圧を背負ってのリスタート。青森山田は力強く、歩みを続ける。写真:安藤隆人

 兵庫県で開催されているガバナーカップ。6チームを2グループに分け、最終日の3月26日に順位決定戦を行なわれる。高校選手権王者の青森山田は23日の開幕戦でクロアチアの強豪ディナモ・ザグレブU-18を相手に1−0の勝利を収めると、翌日の第2戦では兵庫県選抜U-18を3−0で一蹴、2連勝でグループAの1位通過を決めた。
【選手権PHOTO】輝きを放った1、2年生プレーヤーたち
 
 2試合とも、圧巻の試合運びだった。まずは開幕戦となったD・ザグレブ戦。言わずと知れたクロアチアの名門で、育成機関はルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)など数多の名手を輩出してきた。今回来日したチームにもU-17クロアチア代表が4人在籍し、エースのマリオ・ツゼは、母国の将来を担う好タレントだ。
 
 その東欧のタレント軍団に対し、青森山田は立ち上がりから攻勢に出た。1トップのバスケス・バイロン(新2年)がドリブルで積極的に仕掛けると、左MFの壇崎竜孔(新2年)、右MFの佐々木友(新3年)の両翼も高い位置に張り出してゴールに迫る。前半15分(40分ハーフ)、MF堀脩大(新3年)のFKからCB簑田広大(新3年)が放ったヘッドは惜しくもポストを叩くが、アディショナルタイムにMF郷家友太(新3年)のロングスローから佐々木がボレーシュートを決め、リードを奪った。
 
 後半に入ると、11分に柏レイソルU-18から転入したFW中村駿太を投入。郷家と2シャドーを組ませ、バイタルエリアでの起点を増やすと、60分には佐々木に代えてFW三國ケネディエブス(新2年)をピッチへ。三國を前線の基準点に、中村、郷家ら2列目が果敢にゴールを狙った。
 
 守っては昨年のレギュラーCB小山内慎一郎(新3年)が、ロングボールを多用してきたD・ザグレブに対して強気のラインコントロールを見せ、逸材ツゼにはフィジカルコンタクトで一歩も引かなかった。さらにGK坪歩夢(新3年)が2本のビッグセーブでピンチを凌ぎ、チームを完封勝利に導いた。
 
 攻守の歯車ががっちり噛み合って掴んだ1−0の勝利。「ようやくチームになってきた。選手たちが大きな自信を掴む一戦になったと思う」とは、指揮を執った正木昌宣ヘッドコーチの弁。新チームになってからのベストゲームだった。

次ページ郷家が語った、中村加入による“プラスアルファ”。

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