【横浜】新10番・齋藤学が輝くためには――不可欠な金井貢史という盟友の存在

2017年02月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「キャンプでも同部屋だったので、いろんな話もできた」

浦和戦では齋藤に何本も好パスを通した金井。「今日は点にならなかったけど、シーズンを通して、何点か取れるようにしていきたい」。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ開幕戦] 横浜F・マリノス 3-2 浦和レッズ/2月25日(土)/日産スタジアム
 
 学年はひとつ上だが、同じ90年生まれで、横浜のジュニアユース時代からともにプレーする。07年のU-17ワールドカップにも一緒に出場した。だから、「(齋藤)学がやりたいことは分かっている」。
 
 金井貢史――SB、CB、ボランチをこなす守備のマルチロールは、浦和との開幕戦では左SBで先発フル出場を果たす。敵の駒井善成や関根貴大と激しい攻防を繰り広げながら、ひとつ前にポジションを取る齋藤には好パスを何本も通し、チャンスをお膳立てした。
 
「あいつが良い動きをしていたから。"出させられている"っていう部分もあるし」と金井は謙遜する。もちろん、「チームのストロング(=齋藤学)を生かすために、どうポジショニングすればいいかは常に心がけている」と、自分なりのプレービジョンはある。
 
 この日は持ち味の攻撃参加が少なかったが、浦和のシステムを踏まえたうえで、齋藤の良さを引き出そうとしていた。
 
「相手が3バックだったし、自分が外から回って学が仕掛けるスペースを消したくなかった。あいつには広いスペースで勝負させたかったので。ただ、学がふたりを相手にするような状況になれば、そういう時だけは前に出て2対2の同数にしたり。そこは上手くできたと思います」
 
 少々強引でも、齋藤のスピードを最大限に引き出す正確なロングパスを供給すれば、思い切りの良いオーバーラップを仕掛けて、齋藤とふたりで局面を打開する。いずれの形も、彼らだけが共有するタイミングで攻撃を繰り出していく。
 
「ずっと一緒にやってきているので。学がどういう動きをするかも分かっている。分かっているうえで、練習中も常に話しながら、動きを確認し合っている。キャンプでも同部屋だったので、いろんな話もできました。そういう意味では、今年はいつも以上にコミュニケーションが取れている」
 
 阿吽の呼吸を見せる金井と齋藤だが、長い年月をかけて築き上げてきたものとは別の次元で、金井は齋藤をサポートしようとしている。

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