「セリエAの問題児トリオ」カッサーノ、ニアング、M・ロペスの行く末は?

2017年01月26日 片野道郎

「あいつがマキシなのは体重だけだ」

再三の減量指示にもかかわらず、体重オーバーのままなM・ロペス。ミハイロビッチ監督からも愛想を尽かされている。(C)Getty Images

 クローズまであと1週間を切った冬のカルチョメルカート(移籍市場)。セリエAは例年なら、そろそろ本格化する残留争いに向けて戦力を補強したい下位チームがばたばたと動き出すところなのだが、今シーズンは中小クラブの動きが比較的大人しい。これは、パレルモ、クロトーネ、ペスカーラの3チームが早々に脱落し、前半戦だけで残留争いが事実上決着してしまったためだ。
 
 ここにきて興味を集めているのはむしろ、各クラブの「余剰戦力」の行方。それぞれの理由で所属クラブにソッポを向かれながらも、去就が不透明なプレーヤーの中には、それなりの名前と実績の持ち主もいる。
 
 例えばトリノに所属するアルゼンチン人FWのマキシ・ロペス。今シーズンここまでセリエAで8試合に出場してはいるものの、うち7試合が途中出場で総出場時間は249分にとどまっておりノーゴール。先週末のボローニャ戦ではベンチ入りメンバーからも外された。
 
 これについて理由を尋ねられたシニシャ・ミハイロビッチ監督の言葉が興味深い。
 
「マキシ・ロペス? あいつがマキシ(最大)なのは体重だけだ。ベストの体重まで落とせるようあらゆる手助けをしてきたが、4か月経ってもまったく効果がない。まだ洗濯機を背負ったままだ。試合に出たいのならルールを守らなければならない。それだけのことだよ」
 
 昨夏のプレシーズンキャンプに明らかな体重オーバーでチームに合流し、シーズンに入っても7キロのオーバーだったマキシ・ロペスに対して、クラブが7週間で7キロの減量を命じたのが9月のこと。その時に指揮官はこう嘆いていたものだった。
 
「体重が重過ぎて要求したことをこなせない。洗濯機を背負ってプレーしているようなものだ。そんな自分に対して腹を立てるべきだ」
 
 ところが、それから4か月が過ぎた今も減量は進んでおらず、クラブからは罰金を課されている状況。ミハイロビッチ監督は完全に愛想を尽かしているが、この状況ではトリノが手放したくとも欲しがるクラブはどこにもないだろう。

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