【東京V】橋本&二川の名コンビが5年ぶりに復活!「あいかわらずあの落としは流石やなと」

2017年01月19日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

二川「ほら、言うた通り、プラン通りでしょ(笑)」

かつてG大阪の黄金期を支えた名コンビ、橋本(左)と二川。ベテランデュオが東京Vを躍進へ導くか。(C)SOCCER DIGEST

 正面に橋本英郎を見据え、左のソファには二川孝広がくつろいでいる。3人で談笑するのはどれくらいぶりだろうか。しかもここは、東京ヴェルディのクラブハウスである。10年前には想像できなかった光景だ。
 
 いまさらくどくどと説明するまでもないだろう。両人とも、ガンバ大阪の下部組織で才能を磨かれ、トップチームに昇格するやほどなくして主軸の一角を担い、西野朗体制下のチームで数多のタイトル獲得に寄与した。宮本恒靖、稲本潤一、大黒将志、宇佐美貴史とアカデミー出身の名手は枚挙に暇がないが、第1次黄金期における貢献度で見れば、このふたりを凌ぐ者はいない。まさに、ガンバが誇るべき宝だ。
 
 中盤の広範囲をカバーして攻守両面でハイパフォーマンスを保証するリンクマン、橋本。天才的なパスセンスでゴールを導くだけでなく、黙々と守備のタスクも高次元にこなすプレーメーカー、二川。勝者のメンタリティーを持つ両雄が、首都のクラブで再会を果たした。橋本が2011年末にガンバを退団して以来、およそ5年ぶりのコンビ復活だ。
 
 久々に会ったひとつ年下の"後輩"は、37歳の橋本の目にどう映ったのか。
「いや、フタ(二川)についてはあんまし変わった感じはしませんね。あいかわらず強いパスを受けて、(出し手に)ごめんって言われてんのに、いい落とししてて。今日なんかもセンターバックからえぐいパス来てても、さらっと落としてましたよ。そこらへんは流石やなと」
 
 ガンバ退団後、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、長野パルセイロを渡り歩いた橋本とは異なり、二川はガンバでナンバー10を背負い続けた。だが昨年夏、出場機会が激減したことを受け、大きな決断を下した。20年間を過ごした万博の地に別れを告げ、ヴェルディへレンタル移籍。そして年末に期間を1年延長し、今季もグリーンキットに袖を通すこととなった。
 
 20代半ばの頃、二川に「引退するならどこでいつする?」と訊いたことがある。少し考えて、「たぶん30代前半にJ2のどこかのクラブでひっそり引退すると思います」と真顔で話していた。そんな昔話を振ると、こう答えてくれた。
「ほら、言うた通り、プラン通りでしょ(笑)。あの頃は、自分が30歳くらいまで現役をできたら上出来やと思ってましたけど、気づいたらこの歳(36歳)ですからね。いまはプレーできる限りは続けたいし、セカンドキャリアのこともちゃんと考えてます。若手にも負けない気持ちでやりますよ。試合に出てナンボですから」
 

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