【ミラン番記者】本田圭佑よ、移籍したいならすぐにクラブに申告せよ

2017年01月06日 マルコ・パソット

ミランの財政はかなり苦しいが…。

契約満了半年前の現在、ミラン退団が囁かれる本田。はたして1月の移籍は成立するのか? (C)Getty Images

 さあ、舞踏会の始まりだ。「カルチョメルカート(移籍市場)」という曲に乗ってヨーロッパのクラブチームが一斉にダンスを始めた。
 
 ただしミランに関しては、この舞台であまり踊ることができないかもしれない。なぜならこの冬のメルカートで、思ったように身動きできないからだ。
 
 指揮官ヴィンチェンツォ・モンテッラの希望ははっきりしている。まずは若手のマヌエル・ロカテッリと交代でレジスタを務められる選手を一人、それからスソとエムバイ・ニアングの控えとして使えるサイドアタッカーを一人。そう、本田圭佑よりもっと有益な選手だ。
 
 しかし、その希望通りにいくとは限らない。
状況は去年の夏のメルカートとまるで同じだ。クラブの株式譲渡の行方がまだはっきりとしておらず、ミランは今だ微妙な状態にある。
 
 中国コンソーシアムは3月3日までに支払いを完了すると言っているが、それもまた絶対ではない。なにしろこれまでに延期に延期を重ねているのだ。このクラブ株式売却問題が終了しない限り、補強予算を立てようがない。
 
 だから、今回のメルカート予算は実質ゼロ。つまり誰か選手を売った金額で、新たな選手を獲得するしか方法がないのだ。
 
 ただ、高額で売れそうなうえ、それなりの引きがあるカルロス・バッカ(セビージャやパリSGが関心)、エムバイ・ニアング(レスターやフィオレンティーナが関心)、マッティア・デ・シリオ(ユベントスやナポリが関心)をミランは手放すつもりはなく、自動的に補強にかけられる金額はそれなりなものになってくる。
 
 現実的にミランが取れる方法は三通りある。まずは先にも述べたように、この冬のメルカート内で収支を合わせること。誰かを売れば、誰かを買える。
 
 第二の方法としては、ここ最近の緊縮財政の中でミランが得意としてきたレンタル。ただ、冬に借りてもほとんどの選手が夏には所属元に戻ってしまうため、その場しのぎの補強にしかならない。まあ、ミランの現状を考えれば、致し方ないかもしれないが……。
 
 そして第三は、現実的ではないが絶対にありえないとも限らない方法。アドリアーノ・ガッリアーニ副会長が未来のオーナーである中国人たちを焚きつけて、前倒しで補強資金を出させるやり方である。
 
 しかし、このウルトラCが現実となる可能性はかなり低いだろう。先に挙げた2つの方法のほうがよりロジカルだ。

次ページデウロフェウやケイタは本田に取って代わる右ウイング。

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