【岩本輝雄のオタクも納得!】サッカーで大事なのは“トラップ”。これがすべてと言っても過言ではないね

2016年12月24日 岩本輝雄

メッシは頭を何度も振って、スローに動く。

CLのバルサ対ボルシアを観戦。守りを固めてくる相手に対し、メッシはうまくフリーになり、攻撃をリードしてみせた。(C)Getty Images

 ここ10年、毎年1回は必ずヨーロッパにサッカーを見に行くようにしている。今年は12月の2日から7日まで、6日間で計6試合を現地で観戦してきた。
 
 まず12月2日にマインツ対バイエルン、翌3日にバルサ対マドリーのクラシコ、そして4日にはラツィオ対ローマのダービー。1日空けて、6日にはCLのバルサ対ボルシアMG、7日にはU-19のマドリー対ドイツ代表を見てから、CLのマドリー対ドルトムントという、かなり忙しかったけど(笑)、充実した1週間だったよ。
 
 テレビとか雑誌の企画ではなくて、チケットもホテルも、すべて自分で手配して行ってきた。こんな元Jリーガー、いないよね(笑)。言うなれば、1年間、仕事を頑張ってきた自分へのご褒美。やっぱりサッカーが好きだし、現地でしか感じられない雰囲気や、スタジアムでしか見れない選手の動きを知ることができる。それは本当に勉強になるし、刺激にもなるから。
 
 ピッチ上で特に注目していたのは、"引いた相手をどう崩すか"。これはJリーグの試合でもひとつの課題として感じていることでもある。
 
 参考になったのは、バルサ対ボルシアMGのカード。ボルシアMGはドン引きしていたけど、バルサは関係なく、4ゴールを奪ってみせた。守りを固めてくる相手を普通に崩していたね。
 
 やっぱり重要なのは、ボールのないところでの動きだった。テレビではなかなか確認できない部分で、メッシやイニエスタがどうやってフリーになっているかがよく分かった。
 
 いろんな要素があるけど、とにかくメッシなんかはよく頭を振ってDFの位置を確認している。そして、無駄に動かない。日本人のFWはよく裏を突こうとして動き回るように感じるけど、メッシはとにかくスロー。DFから離れるようにポジションを微妙に変えながら、味方のパス回しに合わせて、ここぞという時にガッと動く。
 
 中を固められているからといって、外に逃げてもあまり得策ではない。それでは結局、ゴールから遠ざかってしまうから。ゴール前の密集地帯でも、少しの工夫でフリーになれる。テレビでは限界があると思うけど、スタジアムで観戦する時は、ボールのないところでの選手の何気ない動きに注目してみると、新たな発見があるかもね。

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