【高卒ルーキー誕生秘話】C大阪入団内定の桐光学園GK、茂木秀。野球少年だった偉丈夫がプロへの道を拓くまで

2016年12月13日 平野貴也

「サッカーをはじめたのは、中学生になってから」

1㍍95㌢の高身長ながら足下の技術にも定評がある茂木。小学校までは野球に打ち込んでいた。写真:石倉愛子

 強豪ひしめくブロックで、名を挙げようと意気込んでいる守護神がいる。第95回全国高校サッカー選手権大会への出場を決めた桐光学園(神奈川)の茂木秀(3年)だ。
 
 身長1㍍95㌢の類稀な巨躯を誇るGKで、ハイボールに対する強さは抜群。最上級生となって先発ポジションを獲得すると、守備だけでなく、磨いてきた左足のキックでカウンター攻撃の起点になるなど活躍を見せるようになり、来季のセレッソ大阪入団を決めている。

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 プロ入りは、多くの選手にとって少年時代からの夢だ。茂木にとっても目標であり、大きな喜びを感じていることは、ほかの選手と変わりない。しかし、「長年の夢」は言い過ぎになる。茂木は「サッカーをはじめたのは、中学生になってから。小学生のときは、サッカーをやっていく予定はまったくなかったですね」と幼少期を振り返った。
 
 海外のトップ選手や日本代表の中心選手がサッカー界以外でも名を知られるようになった近年では、かなり早い段階でサッカーをはじめる子が多い。だが小学生時代の茂木は、元高校球児の父の思いもあり、野球に打ち込んでいた。ポジションは、投手とセンター。関東選抜に選ばれたこともあるという。
 
 しかし、肩を傷めたことなどが影響し、やがて野球を断念。週に一度だけ通っていたサッカースクールを主宰する町クラブ、MK FCのジュニアユースチームに進んだのが、サッカー選手としての歩みの第一歩となった。
 
 茂木は「サッカーも好きだったけど、週に一度しかやっていなくて、小学生の頃は野球をずっとやっていくと思っていた。でも、怪我もあって野球の世界では大成できないと感じて、サッカーのチームに入れてもらうことにした」と、その経緯を明かした。
 

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