【セルジオ越後】今年のJリーグのMVPは? すぐに答えられないところに大きな問題点があるよ

2016年12月11日 サッカーダイジェスト編集部

突っ込みどころが満載なのが今のJリーグ。

先日のチャンピオンシップを制した鹿島。ただレギュレーションには疑問が残った。(C)SOCCER DIGEST

 先日、チャンピオンシップの決勝戦が行なわれ、アントラーズが今年の王者に輝いたね。年間で最も多くの勝点を稼いだレッズがなぜか最後に涙を飲む……これまで僕は2ステージ制の矛盾点を指摘してきたけど、やっぱり腑に落ちない終わり方だったよ。試合を見ながらクエスチョンマークを浮かんだ人も多いんじゃないかな。
 
 これで困るのが、今月20日に行なわれるJリーグアウォーズで誰をMVPに選ぶのかということ。チャンピオンシップ決勝の第2戦で2ゴールを奪った金崎は第2ステージでは不振に陥っていたし、キャプテンの小笠原はシーズンを通じてスーパーな活躍を見せたわけではない。逆にフロンターレの中村は質の高いパフォーマンスを見せたけど、今年もタイトルに手が届かなかった。レッズの阿部、西川にしたってシーズンの終わり方にケチが付く。
 
 でも最後まで突っ込みどころが満載なのが今のJリーグらしいっていうことなのかもしれないね。結局は来年から1シーズン制に戻すことへの説明もないままだし、今年のMVPだって明確な理由がないまま発表される可能性だってあるよ。
 
 大袈裟な言い方かもしれないけど、Jリーグの設立から25周年目で、リーグの価値に大きな傷がついたと思うんだ。2年前に財政面の問題で2ステージ制再導入へ大きな舵を切ったわけだけど、結局は当初設定していた5年に満たない期間で終わることになった。これは暗に変革は失敗でしたと言っているようなもんだよ。
 
 来季は大型スポンサーが付いたことで、優勝賞金が3倍にも膨れ上がるというけど、各クラブにどれだけの恩恵があるかは未知数だ。

次ページ来季J2で戦う名古屋には注目が集まる。

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