【ミラン番記者】モントリーボが語る本田「僕はケイスケの生き方に感服している。移籍先に薦めるのは…」

2016年11月18日 マルコ・パソット

いまのところ変化の兆しはまったく見られない。

12節を終えてプレータイムはわずか80分間(先発1試合、途中出場2試合)。本田がミラン入団4年目にして最大の危機に瀕している。(C)Getty Images

 もし別れが避けられないものであっても、怒りや憎しみを残しながらすべきではない。紳士的に、プロフェッショナルらしくスマートに決別すべきである――。最近の本田圭佑の発言からは、そんな様子が伺える。
 
 11月のAマッチウィーク中には、「(夏に)願った移籍が叶わなかったから残留している。別にミランにしがみついているわけじゃない」と発言。つまり、「自分はミランを出ていくことを望んだが、満足のいくオファーがなかったし、チーム側からもどうしても出ていけというプレッシャーもなかった」ということだろう。
 
 今夏の本田には複数の移籍話が浮上していたが、本人が退団希望を公にしたのは初。現行契約は来年6月で切れるが、早ければ冬、遅くとも夏にはミランを去っても不思議ではないコメントだ。
 
 一方、代理人を務める兄の本田弘幸氏の発言は少し温度が違う。「本田に対するミランのサポートは満足のいくもので、契約を更新することには何の異存もない」と彼は言う。年内一杯には正式決定が見込まれるオーナー交代も視野に入れ、ミランとの交渉を完全には切りたくないようだ。
 
 しかし、問題はそこではない。鍵を握るのは、指揮官のヴィンチェンツォ・モンテッラだ。「モンテッラと本田は対立関係にはない」と弘幸氏は説明する。そう、それは誰もが分かっている。
 
 そして、「予想を裏切る出来事が今後ありえるかもしれない」と彼は続けた。確かにその可能性は皆無だと誰にも言いきれない。ミランに来てからの本田は、いつもバックアッパーからレギュラーに這い上がってきた。
 
 しかし残念ながら、今のところ変化が起こりそうな兆しは見つけることができない。なぜなら――もうこのコラムで何度となく述べているが――本田をベンチに押しやってピッチでプレーしている選手たちのパフォーマンスが、本当に素晴らしいからだ。
 
 今シーズンのミランの基本システムである4-3-3で、本田がレギュラーの座を争うのは右ウイング。フィリッポ・インザーギ(現ヴェネツィア監督)やシニシャ・ミハイロビッチ(現トリノ監督)の時代と同じだ。
 
 しかしモンテッラは、今夏にジェノアからの武者修行を終えて帰還したスソをその主戦に抜擢。22歳のレフティーは、ここまで2ゴール・4アシストと期待に応える活躍を見せている。結果、本田はいまやベンチが定位置となり、スソを追い越す見通しはまったく立っていない。

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