【現地コラム】強国スペインを苦しめたサウスゲイトをプッシュする国内論調。協会は正式就任を決めるべきだ

2016年11月17日 山中忍

タブロイド紙も異例の好意的な姿勢でサウスゲイトを評価!

その手腕でスペインを苦しめたサウスゲイト。敵将のロテペギも「イングランドは明らかに良いプレーを見せていた」と賛辞を送っている。 (C) Getty Images

「他に誰がいる?」。
 
 ガレス・サウスゲイト暫定体制に課された4試合を終えた後も、複数候補を洗い出して新たな代表監督の選定を進めるというイングランド・サッカー協会(FA)に対しての巷の反応だ。
 
 11月15日、スペイン戦(△2-2)のテレビ中継のスタジオでは、リー・ディクソンとイアン・ライトの元アーセナルの2人も、「FAに代わって俺たちがガレスを指名する」と声を揃えた。
 
 また、国内各紙では、その4日前のスコットランド戦(○3-0)の勝利によりロシア・ワールドカップ欧州予選3試合を2勝1分けで終えた時点で、サウスゲイトに対して「オーディションは合格」との判定が下されていたぐらいだ。
 
 スペイン戦前の『ミラー』紙に、闘牛士姿のサウスゲイトの合成写真が掲載された。そうした大衆紙上での扱いからも、その支持の強さが窺い知れる。というのも、タブロイド紙が作る代表監督の合成写真といえば、通常は嘲笑目的であることが多く、これは異例の好意的な姿勢であるからだ。
 
 スペイン戦では後半ロスタイムに追いつかれ、勝利をもぎとることは叶わなかったのだが、試合翌日も同紙は「評価は下がらない」と書き立てた。むしろ、この暫定監督に対する評価は上がったと見て差し支えないだろう。

次ページ他の候補者にはヴェンゲルの名前も挙がるが…。

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