【セルジオ越後】これがサウジ戦の準備? “中東”というだけのオマーンと戦って得られたものは少ないよ

2016年11月12日 サッカーダイジェスト編集部

後半の戦い方には反省が残った。

日本は大迫(写真中央)らのゴールでオマーンに4-0で勝利。しかし、サウジアラビア戦への強化になったか疑問が残った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ホームでの親善試合、それも対戦相手がオマーンということで、日本が優位に試合を進められる展開は容易に想像できた。相手は勝利を狙ってきたわけではないし、日本はもっと点を取って勝たなくてはいけなかった。
 
 僕は以前から指摘してきたけど、なぜ、このタイミングでオマーンと対戦したのか。オマーンは同じ中東の国だけど、15日にワールドカップ予選で戦う、サウジアラビアとは大きな実力の差があったよ。重要な一戦に向けて良いシミュレーションができたかと問われれば、答えはノーだ。チームの強化を考えればもっと良い相手はいたはずだよ。
 
 前半に2ゴールを奪ったけど、メンバーを入れ替えた後半はぎこちない戦い方に終始した。最後の最後で小林が4ゴール目を奪ったけど、もっと相手を圧倒しなくちゃいけなかったよ。
 
 収穫と言えるのは大迫が2ゴールを奪ったことくらい。これでサウジアラビア戦には彼が先発する可能性が高まったけど、ほかの新しいメンバーでスタメンを任せられそうな選手は出てこなかったね。
 
 CBでは丸山を試したけど動きが固く、危なっかしいシーンがあった。永木にしても長谷部と比べれば、見劣りする。齋藤は所々で良い動きを披露したけど、最終予選でいきなり先発で使うというギャンブルは考えにくい。
 
 小林は試合終了間際に豪快なゴールを決めたけど、相手の足が止まっていた状況だっただけに、正当な評価を下すのは難しい。トップ下には清武や香川がいるし、ボランチでの先発もなさそうだ。
 
 ハリルホジッチ監督もオマーン戦は丸山や小林、久保らに代表の雰囲気を感じさせるという考えを持っていたはず。そうでなければ、サウジアラビア戦を含めた2連戦に、25人ものメンバーを呼ぶ必要はなかったからね。
 
 そう考えるとサウジアラビア戦は通常と変わらないメンバーに大迫を加えた顔ぶれになるはずだ。

【日本 4-0 オマーン|PHOTOギャラリー】大迫や小林祐が結果を残すなど実り多きテストゲームに

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