【対戦相手の証言】元日本代表MFの橋本英郎が指摘する久保建英の“攻略法”

2016年11月06日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「まだ、身体ができ上がっていない感じ。体格的な問題がある」

元日本代表MFの橋本(27番)が久保について言及。「技術がすごく高い」と称える一方で、体格面やコンビネーションを課題に挙げた。 写真:徳原隆元

[J3第28節]FC東京U-23 1-2 長野/11月5日/駒沢
 
 バルセロナの下部組織出身の久保建英が、ついにJリーグデビューを果たした。J3・28節の長野戦で後半開始から登場し、巧みなスルーパスやドリブル突破を披露。45分間でシュートを1本も打てず、本人は「今日は(100点満点中)20点か、15点くらい」と厳しい自己評価を下したが、中村忠監督は「攻撃のアクセントを加えてくれた。初めての試合にしては、非常に良かった」と、15歳の新星を高く評価した。
 
 では、実際にピッチで対戦した選手の目には、「プレーヤー・久保建英」はどのように映ったのか。
 
 ボランチとして長野の勝利に貢献した元日本代表MFの橋本英郎は、「技術はやっぱり、すごく高いと思います。左利き独特の(ボールの)持ち方もあるし、ふたつ、3つ先を考えながらプレーしていた」と久保の能力を称える。その一方で、課題に挙げたのが『体格』と『コンビネーション』である。
 
「まだ、身体ができ上がっていない感じ。千石(廉)や夛田(凌輔)が身体をつけた状態でプレーすると、どうしても体格的な問題がある。そこで僕らが優位に立った形が多かったと思います。(中略)コンビネーションに関しても、周りがそこまで久保君のプレースタイルを分かっていたのかな、という感じはあった」
 
 橋本自身、試合中に何度か久保とマッチアップした。身長173センチ・68キロの橋本に対し、久保は167センチ・60キロ。数字上はそこまで大差はないものの、フィジカルの差を生かし、相手に自由を与えなかった。橋本は、C大阪時代に交流のある南野拓実(現ザルツブルク)との比較を交え、久保の置かれている状況を説明する。
 
「欧州(クラブ出身の)の雰囲気は感じられたか? まだ、僕らがフィジカルで抑えに行った時に、潰されていた部分がありました。南野拓実がオーストリアに行って、帰ってきてC大阪で練習した時は、やっぱり体格が大きい選手に対してやっている分、(C大阪の)CBと対峙しても倒れませんでしたし、すごく強さを感じることがあった。でも今日、(久保には)そういう部分はまだなかった。彼が上のカテゴリーでやっていれば、(南野のような)強さは出たと思いますけどね」

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