岡崎慎司の献身と笑顔は「レスターらしくあるために不可欠」と誰もが再認識

2016年10月25日 山中忍

今シーズンのリーグ初先発でハイパフォーマンスを披露。

チームに貴重な追加点をもたらしたクリスタル・パレス戦の岡崎。その満面の笑みはレスターはチームメイト、スタッフ、サポーターを安堵させたに違いない。 (C) Getty Images

 「これだからサッカーはたまらない。ゴールを決めたシンジの顔!」。
 
 ホームでクリスタル・パレスを下した(○3-1)10月22日のプレミアリーグ9節後、レスターのDFダニー・シンプソンはインスタグラムに満面の笑みを浮かべる岡崎慎司の写真を投稿した。
 
 岡崎にとっては今シーズンの国内リーグで初の先発&フル出場。そのやる気満々の姿を見て微笑んだ者も多かったことだろう。レスターを率いるクラウディオ・ラニエリもその1人だ。
 
 1週間前に「誰の目にも昨シーズン優勝したチームの面影はないと映っている」と嘆いた指揮官は、一変して「今シーズンのベストゲーム」とチームを讃えた。この発言は「今シーズンで最も昨シーズンのレスターに近かった」と理解しても良い。その最大の要因が岡崎だったのだ。
 
 チェルシーに力負けした8節(●0-3)では、敵にボランチのエンゴロ・カンテを引き抜かれた中盤が数的不利に陥る場面も多かったことから、「ラニエリは昨シーズンからの定番である4-4-2のシステムを改めるべきだ」との声も識者の間で上がった。
 
 だが、システムが据え置きだったクリスタル・パレス戦では、OBでレスター・ファンでもあるBBC『マッチ・オブ・ザ・デー』の司会者ガリー・リネカーが「いるといないとでは大違い」と評した岡崎が、守備の局面で5人目のMFのように働いたのだ。

次ページ走行距離、スプリント数でチーム最高を記録した岡崎が攻守にもたらした安定感。

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