【内田篤人の告白】希望と絶望の狭間で<パート2>。「彼が移籍したダメージは大きかった」

2016年10月19日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「どんな形だろうと代表に呼んでもらえたのは有難い」

シャルケについても話してくれた内田。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 7月初旬、鹿島のクラブハウスを訪れると、練習のピッチには内田の姿があった。パスゲームもこなし、正確なロングボールを何本も味方に通す。右ひざの状態は見るからに良くなっており、そう遠くないうちに復帰できるだろうという期待感を持てた。
 
 その後、シャルケで復帰に向けて調整を続ける内田が10月4日にはMRI検査で「良い結果」を得た。カムバックに向けてひとつ階段を上ったわけだが、そこに至るまでの苦労などを本人の声で振り返りたい。以下のインタビューは、7月にシャルケへ渡る前に記録したものだ。<パート1>に続き、<パート2>をお届けしよう。

【内田篤人の告白】希望と絶望の狭間で<パート1>。「その時は正直、治る気がしなかった」
 
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──代表合宿ではハリルホジッチ監督にも、膝の状態を訊かれたそうですね。どんな会話を?
 
「『君は難しい手術をした。時間はかかるし、普通の怪我のイメージでは戻って来られない。この先ずっと大変だよ』って言われました」
 
──激励のメッセージは?
 
「『いつもお前のことは追いかけている』。監督にそう言ってもらえるのは、素直に嬉しいです」
 
──代表のメンバーとはどんな情報交換を?
 
「たいした話はしてないです。ただ、どんな形だろうと代表に呼んでもらえたのは有難い。しばらく離れていたけど、みんなとの絆を改めて確認できたので」
 
──キリンカップは観ましたか?
 
「ほとんど観てないです。オフシーズンなのに、よくヨーロッパから来てくれましたよね。向こうからすれば、『日本と戦える!』っていう気分じゃないはず。どちらかと言えば、『なぜオフに日本まで行くんだ?』という感覚のほうが強いと思う」
 
──フランスで開催されたEUROは観ましたか?
 
「1、2試合ですね」
 
──気になったチーム、選手は?
 
「(ウェールズのガレス・)ベイル。試合を観て思ったのは、EUROのような大会に日本がポンと入っても勝てないということですね」
 
──シャルケについても訊かせてください。昨季はフォーメーションを固定できず、浮き沈みの激しいシーズンになりました。
 
「レギュラーとして固定されている選手もあまりいなくて……」
 
──(ジェフェルソン・)ファルファンと(ユリアン・)ドラクスラーの移籍が、痛手でした。
 
「あくまで僕の見解ですが、シャルケはファルファンのチーム。良い若手はいるけど、彼が移籍したダメージは大きかった」

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