【日本代表】“攻めない”槙野が突き付ける、ポゼッション放棄の是非。「すべて狙いどおりだった」

2016年10月12日 サッカーダイジェスト編集部

ハリルホジッチ監督からは「「まずは守備のところ。高さと強さを存分に出してほしい」と言われた。

左サイドバックとしてフル出場した槙野。CBに近い感覚で守備をしたと言う。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 [ロシアワールドカップ・アジア最終予選]オーストラリア 1–1 日本/10月11日/ドッグランズスタジアム
 
 槙野智章が左サイドバックでフル出場した。アジア最終予選の9月シリーズは、メンバー発表当日に右太ももの肉離れの影響により不出場に。今回は負傷明け直後の招集となったが、「(9月の)悔しさをぶつけ、日本のために全力を尽くしたい」と誓い、酒井宏樹(マルセイユ)の出場停止もあって先発のチャンスを掴んだ。オーストラリアの屈強なアタッカー陣と対峙した90分間は、「そんなに大変ではなかった」と振り返った。
 
 ハリルホジッチ監督からは、「まずは守備のところで、高さと強さを存分に出してほしいと。チャンスがあれば前へのサポートもしてほしいが、『まずは守備』と言われました」。また、「相手の交代で入ってくる選手、残った選手をしっかり捕まえること、どちらかといえば、酒井高徳選手のほうから攻撃をして、左サイドでバランスをとるようにも指示がありました」と説明していた。
 
 開始5分に原口元気のゴールで先制した日本だが、その後は自陣を固めてカウンターを狙ったスタンスを貫いた。それは、日本代表の"戦術"だったと言う。
 
「確かにボールを持たれている印象はありましたが、そんなに危険なパスも来なかったです。『(ボールを)持たせているという感覚を持とう』と選手みんなで言っていたので、精神的には疲れませんでした。
 
 それほど危険な攻撃は仕掛けられませんでしたから。逆に僕らは良い守備から良いカウンターがハマっていたと思います」
 
 守備のバランスを見ていても、槙野が中央寄りにポジションをとって、センターバックの森重の傍で守りを固めていた。そこで相手の9番のFWユリッチを上手く挟み込み、自由を与えなかった。槙野はそこも作戦勝ちだったと頷いた。
 
「ちょっと真ん中よりの守備を意識していました。自分に求められていた役割は、(同サイドにいた)原口選手の守備のオーガナイズをすることと、前に行きたがる(香川)真司にストップをかけて真ん中のスペースを消すこと」
 
 

次ページ「サイドバックよりも真ん中で守る意識のほうが強かった」。

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