【J2】若手の勢いに拍車がかかる清水。終盤の失点が続くC大阪は昨季に続き苦難の戦いへ

2016年10月04日 竹中玲央奈

3位C大阪と5位清水の直接対決は30度を超える猛暑下での一戦に。

清水の攻撃をリードした白崎。終了間際の決勝ゴールでチームに勝点3をもたらした。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J2・34節]C大阪 1-2 清水/10月2日/長居
 
 23,781人の観衆がヤンマースタジアム長居に詰めかけて行なわれた自動昇格を争う2チームの直接対決。勝点63で3位につけるC大阪と、57で5位につける清水との一戦は劇的な幕切れとなった。
 
 10月の14時にはふさわしくない30度を超える気温と強い日差しの中で試合は幕を開けたが、このコンディションがプレーに影響しないわけがない。
 
「(攻撃に)出ていったら(疲れで)帰ってこられないんじゃないかと思っていた。そっちのがやばくて、後半のこととか考えて、そんなに前半はリスクを犯さずに、ということは頭の中にあった」
 C大阪の田中裕介がこう語ったように、両チームとも前半の45分は"様子を窺う"展開となった。無理に前線に圧力をかけることなく、多少時間がかかったとしてもボールを保持し、後半勝負という狙いが強く現われていた。
 
 ただ、その中でも際立ったのが白崎凌兵、大前元紀、石毛秀樹ら2列目の選手が絡んだ清水の攻撃。C大阪の3バックとボランチの間のスペースを狙い、ここにボールを入れてチャンスを創出。特にこのプレーを際立たせていたのが白崎だ。
 
「基本的にシラ(白崎)が中心となって攻撃が始まるというのがある。あそこは常に、シラが前を向くことによってうちの攻撃はスタートするので。今日だけではなくてやり続けていることですし。チームの形になってきている」とはDFの犬飼智也だ。比較的おとなしかった前半の中でも、清水は自分たちの攻撃の"らしさ"を随所に発揮できたことで手応えを掴んだ。
 
 しかし、その中で先にスコアを動かしたのはホームのC大阪。カウンターからの二次攻撃で右サイドの松田陸がファーへ速さ、高さ、タイミングのすべてが揃ったクロスを送ると、これにどんぴしゃのタイミングで合わせたのは途中出場の酒本憲幸。C大阪が後半立ち上がりからギアを上げて清水陣内に押し込んだなかで、ついに先制のゴールネットを揺らした。後半、清水にチャンスらしいチャンスがなかったことを考えても、これが"決まり"の一撃のように思われた。
 

次ページ前線の能力を最大限に活かした小林監督の采配が勝負を決めた。

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