【日本代表】セビージャで難しい立場にある清武だが、「試合勘はすぐに鈍るものではない」ときっぱり

2016年10月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「レベルの高い練習ができて、周りにも巧い選手がいる。最高の環境」。

練習初日に唯一の欧州組として合流。クラブでの不遇もあり、実戦から遠ざかっているが、清武自身はそこまで深刻に捉えていない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 渡欧5年目にして、初めての経験だ。
 
 今季からセビージャに新天地を求めた清武弘嗣は、開幕当初はピッチに立っていたが、徐々にトーンダウン。直近4試合はまったくゲームに絡むことができていない。
 
 日本に帰国する直前のリーガ7節・アラベス戦(10/1)は、まさかのベンチ外だった。「チームが勝ったことは良かった」と語る一方で、「その中に入れなかったのはすごく残念だし、悔しい想いもあります」と心境を吐露した。
 
 過去、ドイツ時代に所属していたニュルンベルクとハノーファーでは、主力として活躍してきた。「4年間は、うまくいっていたほうだなと思います」と清武自身も振り返る。
 
 しかし、セビージャでは現状、難しい立場に立たされている。「こういう環境を選んだのは自分だし、想定内と言えば、想定内」だが、「いざ、そうなってみると、やっぱり悔しい」と唇を噛む。
 
 プロとして試合に出られないのは納得できないだろう。目の前の壁を突き破るための努力を続けているのは当然で、日々のトレーニングに充実感を覚えている。
 
「(競争の)レベルはすごく高いですよ。ナスリもガンソもいるし、自分のポジションには、常に7、8人の選手がいて、その中で回していく感じです。誰がベンチ外になってもおかしくないけど、それを望んで来たわけだし、レベルの高い練習ができて、周りにも巧い選手がいる。最高の環境だと思います」
 
 だから、本人はそこまで焦っていない。「試合もまだたくさんありますし、集中して練習をやって、やり続けるしかない」と、泰然として構える。
 
 欠場が続くなかで懸念されるコンディション面に関しても、「試合勘はすぐに鈍るものではない」ときっぱり。もちろん、これまでの「ずっと(チームで)試合をしてきて、代表に来て試合をやって」というサイクルが崩れ、それがどう影響するかは「僕にも分からない」が、「他の海外組より早く入っているぶん、コンディションも良くなるだろうし、時差ボケも早く治ると思う」と頼もしく語る。

次ページ「自分の持てるものを、全部出せればいい」と闘志を漲らせる。

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