【バイタルエリアの仕事人】vol. 56 相馬勇紀|周りの評価より、自分の仕事に集中する強固なプロ意識。タイトル獲得でユニホームに星をつけたい

2025年09月26日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「サッカーは仕事だ」。その感覚に近づいている感じ

Jリーグでの高評価や日本代表について語る相馬。写真:滝川敏之

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第56回は、FC町田ゼルビアのFW相馬勇紀だ。

 前編では、バイタルエリアへの考え方や、ポルトガル1部カーザ・ピアで得た経験、町田での1年目について語ってもらった。

 後編ではまず、Jリーグにおける自身への高い評価、そして2大会連続となるワールドカップ出場への想いを訊いた。

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 評価されていることはあまり把握していませんが、していただいていることは嬉しいです。ただ、ここ数シーズンは外部の方におっしゃっていただく良いことも、自分ではまだまだだと感じています。良い評価をしていただいても、そのあとに結果を出してこそだと思っているので。

 名古屋の頃にチームメイトだったシュヴィルツォクが、「サッカーは仕事だ」みたいな話をしてくれました。その感覚に近づいている感じです。

 とにかく自分の仕事はチームのために点を取って、アシストをして、守備もしっかりする。まず結果を出すことが自分の役割なので、それに対して高いモチベーションもあるし、ストイックにできている手応えがあります。

 良い評価をしていただけるのは、プロに入る前にはすごく嬉しかったし、上手くいかない時には気にしていた時期もありましたけど、今はまったく気にならないですね。その心境になったのは、ヨーロッパに行った時あたりからです。
 
 E-1では、キャプテンマークを任せてもらったことで、森保(一)監督から信頼してもらえていると感じましたし、もともと主将をやるタイプではないので、任されてチームをまとめたり、声かけをしたり、必死に頑張っていました。

 9月シリーズでは選外で、悔しさはありましたけど、選ばれるだけの評価に値するようなプレーが足りなかっただけなので、次にまた選ばれるように頑張ろう、と。

 立場的に、以前は代表に入っていく感じでした。ですが1回、ワールドカップのメンバーにも選んでもらって一緒に戦ったので、自分がどういったプレーをするのかは理解していただいていると思います。海外でプレーする選手が多く選ばれている事実はあるものの、変に考えすぎず、自分はいつでも選ばれていいだけの結果を出し続けて、タイミングが合えば呼ばれると思っています。

 ワールドカップに向けては現状、日本代表に呼ばれ続けているかといえば、あまり呼ばれてない。ただ自分が活躍する自信というか、日本でプレーしながらもシーズンを通して成長している感覚もあります。

 結局、前回のワールドカップの時もコンディションが良い選手が試合に出ていた。その時に調子が良くて動ける選手が試合に出るはずなので、そこに合わせていく。自分は準備をするだけで、ワールドカップ出場に値する評価をもらえれば選ばれると思うので、それに向けて頑張っていこうという感じです。

 一方、2回目の出場は難しいとも考えています。1回出ている分、2回連続で出るのは圧倒的な結果を出し続けてないといけない。新たなギラギラしたメンバーよりも、かなりの違いを出さないと選ばれるところではないので。 

 今シーズンの自分いえば、J1でゴールとアシストの合計20など、数字を残していくことの先にあるものかなと。日々の練習に取り組むことでしか見えてこない部分もあると考えます。
 

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