三笘薫の言葉とともに振り返る充実の1年。ドリブラーからよりオールラウンドなアタッカーに。移籍に関しては?「本当に何も言えない」【現地発】

2025年06月02日 田嶋コウスケ

「何のためにサッカー選手をやっているか」

36試合出場で10得点の三笘。プレミアで日本人選手としては初となる二桁ゴールを達成した。(C)Getty Images

 2024-25シーズン、プレミアリーグで日本人初となる10ゴールを達成したブライトンの三笘薫。守備と攻撃の両立、チェルシー戦での圧巻のパフォーマンス、サウジアラビアからの145億円超オファー...。充実の1年を、三笘本人の言葉とともに振り返る。

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 ブライトンに所属するMF三笘薫の2024−25シーズンが幕を下ろした。

 個人成績を振り返ると、プレミアリーグでは36試合に出場し(そのうち先発28試合)、10ゴール・4アシストを記録。日本人選手としてはプレミアリーグ史上初となる「二桁ゴール」の快挙を達成し、新たな記録を打ち立てた。

 なかでも圧巻だったのは、2月に行なわれたチェルシー戦だ。GKのロングボールを見事にトラップし、そのままネットを揺らした一撃は「衝撃的なゴール」として大絶賛された。英BBC放送、英衛星放送スカイスポーツ、スポーツサイト『ジ・アスレティック』などが年間最優秀ゴールに選出。クラブ内でも評価され、ブライトンの年間最優秀ゴールを受賞した。

 プレミアリーグ公式の年間最優秀ゴール賞には惜しくも届かなかったものの、世界最高峰のリーグで年間ベストゴールに輝いた意義は大きい。これはまさに、キャリアに刻まれる金字塔だ。

 また、1月の移籍市場では、サウジアラビアから7500万ポンド+出来高418万ポンド(約145億円+出来高8億円 )という巨額オファーが舞い込んだ。報道によれば、三笘には現在の契約の3倍にあたる報酬も提示されていたという。

 しかしクラブはこのオファーを断固拒否。本人も「何のためにサッカー選手をやっているかを考えないといけない」と語り、移籍に興味を示さなかった。それでも、この破格の移籍金はイングランド国内でも大きな話題となった。

 新記録、最優秀ゴール、そして中東からの巨額オファー。実に多くの話題をさらったシーズンになったと、そう振り返ることができよう。
 
 今一度、プレミアリーグのゴール数を確認すると、1年目の2022−23シーズンは7ゴールを記録した。

 このシーズン、9月にはイタリア人のロベルト・デ・ゼルビ監督が就任。それを機に三笘はスタメンに定着し、快進撃が始まった。最後尾からのビルドアップを軸に攻撃を組み立てる「デ・ゼルビ・ボール」の中で、三笘はドリブル突破とクロスで違いを生み出す存在となった。

 2年目は、欧州リーグ参戦に伴う過密日程に苦しみ、思うように得点数を伸ばせなかった。2月に腰の怪我を悪化させ、最終的に3ゴールにとどまった。

 そして迎えた3年目の今シーズン。三笘のブレイクを後押ししたデ・ゼルビ監督がオフに去り、新たにファビアン・ヒュルツェラー監督が就任した。プレミア史上最年少となる32歳の指揮官は、対戦相手に応じてカメレオンのようにアプローチを変えるのが特長。そのなかで、三笘は10ゴールを叩き出した。

 そこで、三笘に聞いてみた。

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