【セルジオ越後】アーセナル移籍の浅野が、重圧に負けないか心配だ

2016年07月11日 サッカーダイジェスト編集部

4位に食い込んだロンドン五輪のように、リオ五輪でも大躍進は可能だ。

アーセナルへの移籍が決まった浅野。順当にリオ五輪メンバーに選出されたなか、本大会での活躍が期待される。写真:サッカーダイジェスト

 7月1日にリオ五輪の登録メンバーが発表された。これと言ったサプライズはなく、浅野ら無難な人選に落ち着いた印象だね。
 
 もっとも、スムーズにメンバーを発表できた点は良かった。他国の状況を見渡せば、ブラジルやアルゼンチンは大会が迫ったこのタイミングで監督交代に踏み切っているし、OA枠が決まらないケースも多々見られるからね。
 
 8月5日のグループリーグ初戦・ナイジェリア戦まで1か月を切った。世の中の雰囲気を見ると、前回のロンドン大会同様、五輪チームへの期待はさほど大きくないように感じる。ただ裏を返せば、気負うことなく、思い切り臨める状況だけに、その意味では"見返してやる"という精神でぜひ頑張ってほしい。
 
 大会は短期勝負で、他国も決して経験豊富な選手ばかりではないだけに、日本の付け入る隙は十分ある。初戦のナイジェリア戦に勝利し、勢いに乗れれば、メダルまであと一方という4位に食い込んだロンドン五輪のように、大躍進も可能だ。
 
 しかし、逆に初戦を落とすと悪い流れを断ち切るのは簡単ではない。連敗で早々に絶望的な状況に追い込まれ、本領を発揮できないまま大会を去るケースもあり得る。
 
 一方で気掛かりなのは、リオ五輪の価値が低下している点だ。今年は不運な事情もあって、コパ・アメリカやEUROが重なり、これまでの五輪に比べると、実力者の招集が一層困難になっているようだね。
 
 たたでさえ、海外のクラブは選手の派遣を渋る傾向にあり、五輪のステータスが下がっている感は否めない。今大会は開催国のブラジル以外、強豪国の"五輪熱"はどこか冷めているような気がするよ。
 

次ページ否が応でも浅野はスポットライトを浴びる。メディアの“格好の餌食”になりかねない。

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