「こっちは舐められたらダメ」ベルギー最高峰のプレーオフを闘う日本人コンビがあらためて噛み締める“Jリーグとの違い”「より感情を出すことが大事」【現地発】

2025年04月15日 中田徹

苦難続きだった伊藤が途中出場で決勝点を生んだ

ヘントで切磋琢磨する渡辺(右)&伊藤(左)のコンビ。貴重な経験を重ねている。(C)Getty Images

 ベルギーリーグ上位6チームで繰り広げられる『チャンピオンズプレーオフ』、そのスタートにヘントとアントワープは失敗して2連敗。4月13日、両チームの対戦は「俺たちも相手も勝たないといけない試合だった」(渡辺剛/ヘント)という意地と意地が激しくぶつかり合った。
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 立ち上がり20分はアントワープが一方的に攻め込み、決定機を何度も掴んだが、ヘントはGKトム・ファンデンベルへのビッグセーブもあって無失点で凌いだ。ここでゲームチェンジャーとなったのが伊藤敦樹。前節のウニオン戦(0-3)で先発したものの前半いっぱいでベンチに下がった伊藤は、アントワープ戦でベンチスタート。しかしFWヒラリオン・ゴーレが負傷したことから15分、ダニイェル・ミリセビッチ監督は伊藤の投入を決意した。2トップ1シャドーシステムから、右シャドーに伊藤を置く1トップ2シャドーへのシステム変更を兼ねた采配が当たり、ヘントの中盤に落ち着きが生まれ、最終ラインはひと息つくことができた。

 22分、その伊藤のダイナミックなプレーにより、ヘントが先制ゴールを奪う。CBジョーダン・トルナリガの角度をつけた縦パスを、伊藤が敵陣やや右サイドで受けると、味方とのワンツーから大外を駆け抜けて右ポケットに侵入。ここから二度、低い弾道のクロスを入れるとアントワープゴール前で混戦が生じ、最後は右ウイングバックのノア・ファディガがゴールを仕留めた。この伊藤が絡んだゴールが結局、ヘントの決勝ゴールになって1-0で勝利。5位ヘントは4位アンデルレヒトと勝点26で並んだ。
 
「チャンピオンプレーオフに入ってから、個人としてもチームとしても難しい試合が続き、前のウニオン戦は前半で代えられてしまって、今日はベンチスタートだった。怪我をしたのがFWの選手だったので、『自分じゃないな』と思って最初、座っていたら急に名前を呼ばれて、ほぼアップのない状態で入りました。でも、うまくすんなり試合に入れて、良い形で2、3回、ボールを受けることができて、そのままゴールにも繋がった。

 ゴールに関わるプレーを増やしたいと常に思っていたのが、今日の結果につながってそれが決勝点になりました。前半は良い形を何回か作れました。後半は押し込まれる展開が続いて難しい試合でしたけれど、全員、本当にハードワークして勝利にこだわった結果が勝点3につながりました」(伊藤)

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