【南アフリカ戦 直前プレビュー】生き残りを懸けたラストゲーム。“仮想ナイジェリア”としても重要な一戦に

2016年06月29日 小田智史(サッカーダイジェスト)

南アフリカは「パワフルなサッカーをしてくる“突進型”のチーム」(手倉森監督)

南アフリカ戦の日本の予想布陣。システムは4-4-2で、2トップは浅野と中島が組むことになりそうだ。

 国内でのラストゲームで対戦する南アフリカはリオ五輪出場国。「今回来日しているのは、ほぼ本大会の最終メンバーに近い構成」(オーウェン・ダガマ監督)と真剣勝負が期待できるだけに、本大会初戦のナイジェリア戦に向け貴重なシミュレーションの場となる。

【PHOTO リオ五輪に生き残りをかけた南アフリカ戦前日練習】@松本

 前日記者会見で南アフリカの印象について問われた手倉森誠監督は、「身体能力を前面に出したパワフルなサッカーをしてくる。下(足もと)もあるし、上(空中戦)もある"突進型"のチーム。ナイジェリアほどの細やかなテクニック、コンビネーション、スピードはないですが、前線に大きい9番(ジュダス・モセメディ/182センチ)がいて、2列目も技術と(前を)追い越して行くスピードがある」とアタッカー陣を警戒する。
 
 他にも母国で「(U-23)南アフリカのイニエスタ」と呼ばれるゲームメーカーのメンジ・マスク、攻撃的MFのギフト・モトゥパ、A代表経験者でヨーロッパのクラブからも注目を集めるリバルド・コッツィーエと、ダガマ監督が信頼を置くタレントが揃う。アフリカ特有のスピードやバネを警戒しつつ、「走り負けない。間延びに付き合わない」(手倉森監督)、「高さ勝負になったら競り合いで負けない」(中谷進之介)こと。局面の個の戦いと同時に、組織で囲い込むディフェンスがポイントのひとつになる。
 
 南アフリカ戦は、怪我からの復帰組のコンディションチェックと、ユニット(選手の組み合わせ)確認においても重要な意味を持つ。ベストメンバーを組むというよりは、「これまで活動にずっと参加してきている選手、プラスアジア最終予選から怪我で離脱していた選手、そして改めてもう一回手元に置いて見てみたい選手」(手倉森監督)を組み合わせて最後のテストを行なうことになるだろう。

次ページ7月1日のメンバー発表を前に、アピールに成功するのは誰か。

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