サウジ戦で遠藤航とコンビを組むのは? 田中碧がボランチのレギュラーを射止めるためにすべきこと【日本代表】

2025年03月25日 元川悦子

公式戦の勝利が必須という点を重視すれば

バーレーン戦は後半から途中出場の田中。サウジ戦は先発が濃厚だ。(C)SOCCER DIGEST

 3月20日のバーレーン戦で2-0の勝利を収め、8大会連続でワールドカップ出場権を手にした日本代表。世界最速、日本サッカー史上最速の切符獲得によって、1年3か月もの強化時間が生まれたわけだが、そのアドバンテージを最大限に活かすことが、次なるミッションだ。

 25日のサウジアラビア戦はその重要な一歩。今回は上田綺世(フェイエノールト)と守田英正(スポルティング)が怪我のためチームを離脱して不在。自ずとFWとボランチはメンバーが入れ替わることになる。

 ボランチに関しては、所属先で出場時間の少ないキャプテン遠藤航(リバプール)の連続先発が確実。その相棒として田中碧(リーズ)、藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、シャドー兼務の鎌田大地(クリスタル・パレス)、旗手怜央(セルティック)が考えられるが、W杯抽選を有利に運ぶために公式戦の勝利が必須という点を重視すると、やはり手堅く田中で行くだろう。

 今回の最終予選での田中は、昨年9月の初戦・中国戦でまず遠藤と交代して後半から出場。遠藤にアクシデントが起きた10月のオーストラリア戦は守田と組んで初先発した。ただ、3バック移行後にボランチを担う機会が少なく、スムーズな連動性を発揮できなかった。

 翌月の中国戦では遠藤とともにスタートから出場。オーストラリア戦に比べると、かなり適応が進んだ印象だった。そして直近のバーレーン戦は後半から守田と交代。鎌田のサポートもあって中盤でリズムを作り、攻守の切り替えや攻撃のギアアップに貢献した。

 11月以降のリーズでのコンスタントな活躍もプラスに働き、本人としても確固たる自信を持ってサウジ戦に向かえるはずだ。

「(3バック時でのボランチの適応の課題は)個人的には感じている部分ではあるので。でも、最初よりはスムーズになっているかなとは思います。チーム全体の流れを見て、個人的に立ち位置を変えることはすごく重要なので、そこができればいいかなと思います。
 
 ただ、明日の試合に関しては、球際や切り替えという部分がすごく大事になる。どちらかがボールを握るというより、トランジションが増えるゲームになるんじゃないかなと個人的に感じます」

 試合前日に本人がこう話すように、田中が今のチームの戦い方に合わせつつ、中盤の激しいバトルや攻防を制し、自分の良さを発揮していければ、日本は勝利に近づくはずだ。

 今回のサウジ戦で攻守の切り替えやセカンドボールの対応が重要になるというのは、遠藤も前日会見で特に強調していた部分だ。

「ルーズボール、五分のボールをいかにマイボールにできるかは、勝敗を左右する部分。特にアジアの国と戦うと、ロングボールを多く使ってくるチームが多いので、セカンドをどう拾うかは、僕ら中盤だけでなくて、ディフェンスラインを含めてのテーマになってくると思っています」

 相棒・遠藤の予想通りの展開になるかどうかはフタを開けてみないと分からないが、田中自身は強度を引き上げ、攻守両面のつなぎ役として存在感を示すことが必須だ。そのうえで、ストロングであるフィニッシュを狙う仕事を前面に押し出せれば理想的である。

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