「超一流」と「一流」の違いは明確。李忠成は“超”を求めてシンガポールへ。躍進する東南アジア勢も語る。近いうちに日本のライバルに?

2025年03月04日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

2強が「J1の下位くらい」、他のチームは「J2の下位で残留争いをするくらいのレベル」

李忠成氏が最後にプレーしたのはシンガポール。その場所を選んだ理由は?写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

【不屈のストライカー特別インタビュー(7回/全10回)】

 不屈の闘志で成り上がり、その左足で光と影を目定めた李忠成。ユニホームを脱いだ2023年9月からは新たなステージで挑戦を続けている。特別インタビューで胸の内に迫った。

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 李氏が最後にプレーしたのは、アジアではあるがJリーグではない。シンガポールだ。2004年にFC東京でプロキャリアをスタートさせて以降、間にイングランドのサウサンプトン移籍を挟み、日本の6クラブを渡り歩いた元日本代表FWは、2021年にアルビレックス新潟シンガポールに加入した。

 当時36歳。一体なぜキャリアの最終盤で、東南アジアに行く決断を下したのか。

「やりたいことがやれて、お金が稼げて、住みたいところに住める。この3つが揃うところに僕は行くって決めてるんですよ。イングランドの時も英語圏に住めて、お金をもらえてサッカーができる。京都の時も住みたい場所に住める。広島もそうです。

 シンガポールの時は、僕の中での候補が、シンガポールかオーストラリアかアメリカだったんですね。その時にシンガポールが1番給料も高かったし、住んでみて面白そうだなと。セカンドキャリアを見据えてもシンガポールがいいなと思いました」

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 リーグのレベルは想定より低く、環境面も日本と比べて決して良いとは言えないようだ。

「僕がいた時はライオン・シティ・セーラーズとアルビレックス新潟シンガポールがJ1の下位くらいで、2強ですね。他のチームがJ2の下位で残留争いをするくらいのレベルです。

 ピッチは全部人工芝です。ベテランの選手はよく『膝関節が痛い』と言っていますし、 暑さがすごいですね。日中に試合なんてできないです。早くても18時とか、大体20時、19時ぐらいから開始ですね」

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