愛息子の前で痛恨のPK失敗…それでもC・ロナウドは「これもサッカーの一部。悪いことは永遠には続かない」と前を向く

2016年06月19日 白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

スタジアムには「ロナウド・コール」が巻き起こったが…。

PK失敗もあって、C・ロナウドは2試合連続でノーゴールに終わった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 EURO2016の9日目にあたる6月18日、パルク・デ・プランスのピッチに、クリスチアーノ・ロナウドは勢いよく駆け出してくる。サポーターの声援に手を振って応えた後、ウォーミングアップを始めた。

【PHOTOギャラリー】C・ロナウド、痛恨のPK失敗… ポルトガル攻め切れずドローに終わる
 
 6月14日のアイスランド戦ではコンディション不良が目立ち、11本のシュートを放ちながらノーゴール。このオーストリア戦は4日前にルイス・フィーゴと並んだ同国最多出場記録を更新(128試合)するメモリアル・ゲームで、スタンドにはそのフィーゴ、そして息子クリスチアーノ・ロナウド・ジュニアや母ドロレスなど家族も姿を見せていた。気合いが入らないわけがない。
 
 しかし、大会ナンバーワンのスターは、またしてもゴールを奪えなかった……。
 
 アイスランド戦の4-1-3-2から4-3-3にシステムを変更したポルトガルにあって、C・ロナウドは左サイドに入る。ただ、リカルド・カレスマやナニと頻繁にポジションチェンジして中央や右サイドにも侵入。"前線のフリーマン"という役割は前節と同様だった。
 
 そして、アイスランド戦と同じく両チーム最多の10本のシュートを放つ(内訳は枠内が3本、枠外が3本、ブロックが4本)。右足、左足、ヘディング、FKと全てを駆使したが、ゴールに見放された。
 
 とりわけ悔やまれるシーンは4つ。まず22分、左からのグラウンダーのクロスに反応し、ゴール前で右足インサイドのシュート。しかし、ボールは惜しくもポストの脇を通過していった。
 
 ゴールの隅を突いた55分の強烈な左足ミドル、その流れで得たCKからのドンピシャのヘディングは、いずれも相手GKロベルト・アルマーのスーパーセーブに防がれた。
 
 そして何より、PK失敗だ。78分、クロスに反応して動くとマルティン・ヒンターエッガーに身体を掴まれて倒され、自らPKを獲得。スタジアムに「ロナウド・コール」が巻き起こる。しかし、右足から放ったシュートは、左ポストに当たって弾かれた。
 
 85分にはFKのボールを頭で合わせてゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で取り消される。ちなみに、オフサイドには3回引っかかった。
 
 試合後、足早に去っていったアイスランド戦とは違って、観客に向かって手を振り、さらにはピッチに乱入してきた男性と記念撮影に応じる余裕も見せた。そして、家族がいる方向に笑顔で手を振ると、ロッカールームに消えていった。

次ページハンガリー戦で求められるのは言うまでもなくゴールだ。

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