セビージャで成功するためには? 清武に捧げる〝あのアタッカーの金言″

2016年06月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

清武に求められるのはまずオフェンス面での貢献だが…。

キリンカップで存在感を示した清武。新天地のセビージャでも大暴れしてほしい。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 6月10日(現地時間)、清武のセビージャ移籍がクラブ間で合意に達した。契約期間は4年で、ハノーファーからの移籍金は約650万ユーロ(約8億円)という。
 
 メディカルチェックをパスすれば、晴れてセビージャの一員になる。ハノーファーで培った経験、得た自信を胸に「競争が待っているのは分かっている。そういう場所を臨んだのは自分なので。空いていれば、10番を付けたい」とポジティブにコメントしていた。
 
 26歳という年齢を考えれば、良いタイミングで移籍に踏み切ったと言える。キリンカップで大きな存在感を示し、ここからのさらなる成長が非常に楽しみ。清武がヨーロッパリーグ3連覇という偉業を成し遂げたセビージャで如何なるパフォーマンスを見せてくれるかは、大いに気になるところだろう。
 
 ちなみに、15-16シーズンはコパ・デル・レイで準優勝したセビージャも、リーガ・エスパニョーラでは7位に終わっている。アウェーでは0勝9分け10敗と、勝負弱さを露呈。勝ち星に恵まれなかった要因のひとつが、コノプリャンカ、ジョレンテ、インモービレら昨季に加入したアタッカーが低調だった点だ。
 
 バルセロナやレアル・マドリーの総得点に比べると、セビージャのそれは約半分の「51」。もちろん守備面にも改善の余地はあるが、昨季のハノーファーで5得点・6アシストを決めた清武にまず求められるのはオフェンス面での貢献だろう。
 
 ここで耳を傾けたいのが、清武と同じくドイツからスペインに新天地を求めた〝あのMF″の言葉である。昨夏にフランクフルトからエイバルに移籍した乾は、シーズン途中のインタビューでこう答えていた。
 
「(ドイツにいた頃よりも)楽しいですよ。ボールは来ますし、遣り甲斐がある。上手い選手もたくさんいて、ここまで本当に充実している。ドイツでも良い経験をさせてもらいましたが、やっぱりスペインが良いです」
 
 その言葉どおり、リーガでサッカーを楽しんだ乾はエイバルで3得点・4アシストを決めて1部残留に貢献。鋭いドリブル突破を主武器に躍動して、24節のレバンテ戦では地元紙から「ダイヤモンドの輝き」と絶賛された。さらに、彼はこう続けていた。

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